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令和2年度 廿日市市施政方針

ページID:0051942掲載日:2023年12月14日更新印刷ページ表示

令和2年度 廿日市市施政方針(令和2年2月25日)

はじめに

 令和2年第1回廿日市市議会の開会に当たり、新年度の施政方針を申し述べ、市議会議員各位並びに市民の皆様の御理解と御賛同を賜りたいと存じます。

 私は、昨年の市長選挙において、市長に就任いたしました。

 廿日市市政をお預かりすることは、大変名誉なことであると同時に、この責任の重さをしっかりと胸に受けとめ、皆様の負託に応えられるよう誠心誠意努めてまいります。

 我が国が抱える人口減少、少子化、超高齢社会の進展、東京圏への人口一極集中の継続といった諸課題に真正面から向き合い、緊張感を持って市政運営の舵を取り、まちづくりの基本理念である「市民一人ひとりが幸せに暮らせるまちづくり」に邁進してまいる考えでございます。

 さて、昨年を振り返りますと、5月には、天皇陛下の皇位継承に伴い、元号が「平成」から「令和」へと改められ、新たな時代となりました。

 「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味の込められた令和の時代のまちづくりにおいて、歴代市長によるこれまでのまちづくりにより成熟した廿日市市を引き継ぎ、更に発展させ、広島県西部の拠点都市として、「ベッドタウンからホームタウン」へと変革する廿日市市を創造するために、全身全霊をもって取り組んでまいります。

 9月には、ラグビーワールドカップが我が国で初めて開催されました。すばらしいプレーの数々はもちろんのこと、グラウンドを離れた選手の被災地支援の活動など、私たちに多くの勇気と感動を与えてくれました。この大会での日本代表チームの強さの源泉は、選手一人一人がそれぞれの役割を果たしながら、勝利という目標に向かって一丸となって取り組む姿そのものだと感じています。こうした姿勢を今後の市政運営に生かしていきたいと思います。

 モン・サン=ミッシェル市との観光友好都市提携10周年を迎えた昨年は、同市において、記念調印式を行うとともに、モン・サン=ミッシェル市からの訪問団が本市を訪れるなど、更なる連携と交流に向けた礎となる年になりました。令和2年度においても、友好関係を更に深めるよう取組を進めてまいります。

 昨年の宮島への来島者数は、過去最多となる465万人を記録し、外国人観光客数も一昨年に引き続き30万人を超えました。これは、宮島の魅力が国内外に高く評価されたものと受け止めており、引き続き、国際観光地にふさわしい、おもてなしの質の向上や受入れ環境の充実に努めてまいります。

 今年に目を向けますと、夏には、約半世紀ぶりに東京でオリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。本市においては、5月に、嚴島神社の高舞台を起点に聖火リレーが市内を走行するほか、7月、8月には、メキシコ合衆国の事前合宿のホストタウンとして、柔道、空手、そして、パラリンピック柔道選手団を受入れる予定となっております。

 オリンピック・パラリンピック開催期間中はもちろんのこと、その前後を含め、世界中から多くの人が我が国を訪れることが見込まれ、本市の魅力を世界に発信する最良の機会になるものと思っております。

 4月24日から3日間、オリンピックのアジア大陸別代表選手選考会にも当たる「ASTCアジアトライアスロン選手権2020廿日市」を開催いたします。この大会を、国際交流、観光振興、パラスポーツの普及などにつなげていくとともに、子どもたちが一流アスリートに触れ合い、勇気や希望を持って将来の夢に挑戦するきっかけとなる大会にしていかなければなりません。

 2月のJA広島総合病院前の立体駐車場の整備に次いで、3月には、JA産直ふれあい市場、佐伯総合スポーツ公園の大型複合遊具、春には宮島口旅客ターミナル、JA広島総合病院内への休日・夜間急患診療の機能移転など、これまで進めてきた事業が次々と完成の時期を迎え、今後ますます廿日市市の魅力が増すものと期待が高まるところです。 

【三つの大きなプロジェクト】

 また、現在進めております三つの大きなプロジェクトの確実な実現に取り組みます。

 新機能都市開発事業については、平良丘陵開発土地区画整理準備会を支援するとともに、関係機関と協議を行い、着実に事業を推進してまいります。

 地域医療拠点等整備事業については、医療・介護や、交流、交通、防災など、拠点機能の強化を考慮した複合施設の早期完成に努めてまいります。

 宮島口地区整備事業については、宮島口地区が市全域への波及効果を生み出す新たな観光・交流拠点となるよう、広島県との連携・協力により、交通、環境、景観などの総合的な整備や、エリアマネジメント、渋滞対策などに取り組みます。

【中山間振興】

 中山間地域においては、地域に暮らしている地域住民のための定住維持、人口減少を緩やかにするための移住促進、地域住民の内発的な意思の発動による地域づくり活動への伴走型支援により、地域力の維持・向上を図り、誰もが安心して暮らし続けられる地域づくりを進めます。

 小さな拠点づくりとして、暮らし続けられる吉和地域の実現を目指す拠点の形成のため、吉和支所複合施設整備事業を着実に進めるとともに、地域が自らまちづくりを担うための地域運営組織の立ち上げに取り組みます。

【宮島について】

 宮島については、先人から受け継いだ世界共通の財産として次世代に引き継いでいくために、宮島の「あるべき姿」と「ありたい姿」を明らかにするとともに、まちづくりの基本理念と方針を示した、「宮島まちづくり基本構想」に基づく具体的な事業計画を策定します。

 本構想の着実な実現には財源の確保も必要です。引き続き、宮島財源確保検討委員会において、法定外目的税の導入に向けた検討を進めてまいります。

【平和への取り組み】

 次に平和への取組についてです。

 昨年の11月に、ローマ教皇が長崎と広島を訪れ、世界に向けて核兵器廃絶と平和のメッセージを発信されたことは、世界に与える影響は多大であったと思います。広島の平和記念公園での歴史的瞬間を目の当たりにし、大変な感動を覚えると同時に、被爆の惨状を伝えていくことの大切さ、平和の希求を子どもたちにつないでいくことの大切さを心に刻みました。誰もが平和で安心して生活できる未来を願い、今後も核兵器の廃絶を訴えてまいりたいと思います。

1 市政を取り巻く諸情勢

 市政を取り巻く諸情勢でございます。

【経済・雇用情勢】

 はじめに、経済情勢でございます。

 政府の経済見通しによりますと、雇用・所得環境の改善が続く中、我が国の景気は緩やかな回復が続いているとされていますが、先行きについては、米中貿易摩擦など通商問題を巡る動向や、英国のEU離脱等の海外経済の動向が世界経済に与える影響などに、十分注視する必要があります。

 昨年10月、財政健全化と社会保障の充実・安定化、幼児教育無償化などに必要な安定財源を確保するため、消費税率が10パーセントへ引き上げられました。引き上げに伴う経済対策の一環として、店舗でのキャッシュレス決済を行った消費者へのポイント付与による還元策がなされていますが、こうした取組を一つの契機として、今後、地方自治体においてもキャッシュレス決済の導入が進んでいくことが予想されます。

 また、国は、安全・安心で利便性の高いデジタル社会と、公平で効率的な行政の構築を目指すため、マイナンバーカードの普及とマイナンバーの利活用の促進に関する方針を策定し、マイナポイントの付与による消費活性化策や、令和3年3月からは、マイナンバーカードを健康保険証として本格運用するとしています。地方自治体においてもこうした国の動きに連動し、取組を進めていかなくてはなりません。

 次に、雇用情勢でございます。

 県内の雇用情勢は、着実に改善が進む中、労働局の発表では、求人が求職を大幅に上回って推移しています。有効求人倍率は、令和元年12月には1.93倍となり、全国で6番目の高水準となっています。また、正社員有効求人倍率についても、1.4倍を超える水準となっています。

 本市においても、生産年齢人口の減少が予測され、企業活動には厳しい状況が続くと思われます。

【財政状況】

 国が昨年12月に公表した令和2年度の地方財政計画では、「経済財政運営と改革の基本方針2019」で示された「新 経済・財政再生計画」を踏まえ、地方の安定的な財政運営に必要となる地方交付税等の一般財源総額において、令和元年度を0.7兆円上回る63.4兆円を確保したとしています。

 引き続き、有利な財源や自主財源の確保などに努め、限られた資源を有効に活用し、第6次廿日市市総合計画前期基本計画の着実な実行と将来の行政需要に的確に対応できる財政基盤を構築してまいります。

【地方創生】

 国は、人口減少や東京一極集中など、人口を巡る諸課題に対し、昨年12月に、令和6年度を終期とする第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定しました。この中で国は、継続する東京圏一極集中を是正するため、東京圏における人口の転入・転出の均衡を図る取組として、関係人口の拡大に力を入れるとしています。本市においても、令和2年度に策定する第2期の「廿日市市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に、新たに関係人口に関する取組を位置付けるとともに、国や県などの動向を注視しながら、地方創生の取組を進めてまいります。

【2040年問題】

 また国は、有識者による自治体戦略2040構想研究会を設置し、本格的な人口減少と高齢化を迎える2040年頃の自治体が抱える行政課題に対し、バックキャスティングに今後の自治体行政のあり方を展望し、早急に取り組むべき対応について議論を進めています。

 本市においても、国が進める議論の状況を注視しながら、2040年問題を展望した政策・施策を考えていく必要があります。

2 令和2年度の市政運営の基本的考え方 

 市政運営の基本的考え方でございます。

四つの重点政策

 私は、これからの市政をお預かりするに当たり、四つの重点政策を掲げました。その重点政策を核とした施策を展開し、本市に関係する全ての人々が、自信と誇りを持ち、まちの未来に希望を感じ、日々のまちの成長に感動を覚える「豊かな廿日市市」を目指します。

【住んでよかったと実感できるまちへ】

 一つ目は、「住んでよかったと実感できるまちへ」です。

 全ての市民が社会の中で、自分らしく、やりたいことに挑戦するとともに、お互いを大切にし、支え合い、誰もが生き生きとした人生を送ることができるまちをつくります。

 そのために、防災対策の重要課題の解決に向け、避難の呼びかけ体制を確立すること、地御前地区で実施している地域医療拠点等整備事業の早期完了に向けて着実に進めること、子どもたちが芸術・文化・スポーツを楽しむことができる環境を整備すること、そして、高齢者や生活困窮者など一人一人の状況に応じ、自立した生活を行うことができるよう支援することなどに取り組みます。

 また、中山間地域では、暮らしの拠点づくりや公共交通ネットワークの形成などにより、地域住民の利便性の向上と交流人口、関係人口の拡大を図ります。

 あらゆる人が、進学、就職、結婚、出産、子育てや転職・退職など、人生の様々な転機を迎えたとき、廿日市市を選択し、未来に明るい希望を感じながら活動できるまちづくりに取り組みます。

【ベッドタウンからホームタウンへ】

 二つ目は、「ベッドタウンから、ホームタウンへ」です。

 廿日市市は、これまで、広島市のベッドタウンとして成長してきました。将来においても、持続可能な都市であり続けるためには、これまでに培った知識や経験を生かしながら、経済的に自立したホームタウンへと転換する必要があります。

 それには、現在進めている新機能都市開発事業、駅周辺や幹線道路沿いなどの土地利用規制の緩和、宮島口地区整備事業などを着実に進め、雇用の創出、若者の定住、賑わいの創出などに取り組み、若者を中心に選ばれる市街地の形成を目指します。

 こうした新たな雇用や経済効果により、歳入の源泉の涵養を進めるとともに、宮島の法定外目的税の導入をはじめ、新たな歳入の創出を図り、次世代に質の高い行政サービスの提供ができる、安定した財政に裏付けされた「強くて、優しい廿日市市」を創造してまいります。

【行政が率先して未来を想像し行動するまちへ】

 三つ目は、「行政が、率先して未来を想像し、行動するまちへ」です。

 これからの時代、行政経営は多様化し、行政に求められることも多くなることが想像できます。過去の経験則や前例踏襲にとらわれない行政運営を大胆に実践していく必要があります。

 まずは、市長による市政報告会や子ども議会の実施などにより、市民とまちづくりの課題を共有し、多様な現場の声を政策に反映できる仕組みを作りたいと思います。

 また、市民と常に向き合い、地域が抱える課題の洗い出しや改善策、解決手法の選択について、現場起点で実践していくプロセスを重視していきます。

 市民の皆様は、自分が住んでいる地域について、豊富な知識や現場感、そして何より深い愛情を持っておられます。そうした皆様と、役割と責任を十分議論し、行政が率先して未来を想像し、行動していきます。

【次世代に政治の“つけ”をまわさないまちへ】

 四つ目は、「次世代に、政治の“つけ”をまわさないまちへ」です。

 廿日市市は、これまで良質なサービスを提供してきました。我々には、その環境を将来につないでいく責任があります。しかし、これからの時代、同じ水準を維持することの困難さや、時にはやめる勇気も必要になると考えます。本当に必要なものは何かをしっかりと考え、「やめる」、「減らす」、「充実させる」など、メリハリの利いた判断をしていきたいと思います。

3 令和2年度総合計画体系別主要事業

 次に、令和2年度の主要事業でございます。
 第6次総合計画に掲げる将来像を実現するための四つの方向性に基づき、施策体系に沿って、新規・拡充事業を中心にご説明いたします。

方向性1 くらしを守る

 方向性1「くらしを守る」でございます。

健康でいきいきと生活できるまちをつくる(重点施策1-1)

 重点施策1「健康でいきいきと生活できるまちをつくる」でございます。

 病気の予防・早期発見・早期治療を目的に、胃内視鏡検診の自己負担額の軽減を行い、受診しやすい環境を整えます。また、高齢者の低栄養防止・重症化予防として、後期高齢者を対象とした保健事業に取り組み、健康寿命の延伸を図ります。

 豊かな心、健やかな体を育むための環境整備として、総合スポーツセンターサンチェリー及び佐伯総合スポーツ公園のスポーツ施設の改修工事を行います。また、佐伯総合スポーツ公園では、大型複合遊具の供用に伴う利用者の増加に対応するため、園内駐車場を整備するなど、利用者の利便性を高めてまいります。

移動しやすく便利なまちをつくる(重点施策1-2)

 重点施策2「移動しやすく便利なまちをつくる」でございます。

 誰もが便利に安心して利用できるよう、自主運行バスの車両更新や、乗り継ぎ拠点におけるバスロケーションシステムの整備を行うとともに、引き続き、民間バス路線に対する運行補助を行い、地域公共交通再編後の効果検証や、地域主体の移動手段確保に関する推進方策について検討を進め、持続可能な公共交通ネットワークの形成を図ります。

 道路ネットワークの機能強化として、都市間を結ぶ幹線道路である臨港道路廿日市草津線や街路畑口寺田線等の整備促進を図るとともに、幹線道路を補完する熊ヶ浦鯛ノ原線や堂垣内広池山線等の整備を推進します。

 地域の実情に応じた生活道路の計画的な整備を行うとともに、筏津地区公共施設再編事業に合わせた筏津郷線の整備や、大野地域と大竹市を結ぶ道路の整備に向けた調整を進めてまいります。

 既存大規模団地の活性化を目的として、住環境の保全とのバランスを考慮しつつ、敷地分割等による不動産の流動性向上や、店舗併用住宅などの生活利便機能の誘導が可能となるよう、地区計画の見直しを進め、賑わいのある市街地形成に向け、土地の利用促進を図るための用途地域の見直しを行います。

安全で安心なまちをつくる(重点施策1-3)

 重点施策3「安全で安心なまちをつくる」でございます。

 災害の発生に備えた社会基盤の整備として、急傾斜地の崩壊対策や河川の護岸改修、しゅんせつを行います。

 災害時に迅速に情報を発信する体制を確立し、的確な避難行動ができるよう、防災行政無線の音達状況の改善に取り組みます。

 避難者へ迅速に物資が供給できるよう、避難所となる小学校などに防災備蓄倉庫の設置を進めるとともに、災害や火災発生時に安全かつ正確に現場の情報を収集するため、ズーム機能、赤外線カメラ機能を備えたドローンを新たに購入整備します。

 宅地造成に伴う災害の防止に万全を期すため、佐伯地域の都市計画区域内において、宅地造成工事規制区域を指定するための調査を行います。

 また、位置・規模を把握する調査を行い抽出した大規模盛土造成地について、引き続き、基礎資料の整理や現地踏査等を行います。

 「犯罪のない安心して暮らせるまちづくり」の取組として、消費者の安全を確保するため、引き続き、消費生活センターによる相談、苦情処理のための助言やあっせん、情報提供を行うとともに、関係機関と連携した情報発信、啓発活動により被害を未然に防止します。

いつまでも住み続けられるまちをつくる(重点施策1-4)

 重点施策4「いつまでも住み続けられるまちをつくる」でございます。

 救命率向上のため、引き続き、計画的な救急救命士の養成を行うとともに、24時間体制で高度な救急医療の提供を行う機関の運営について支援し、救急医療及び医療提供体制の確保を図ります。

 また、宮島への修学旅行がピークを迎える春と秋の期間において、夜間の医療体制を確保し、安全・安心の充実を図ります。

 地域共生社会の実現に向け、多様な主体が制度や分野の枠を超えて連携し、一人一人が生きがいや役割を持ち、支え合いながら暮らしていくことのできる地域社会づくりに取り組むための指針として、「第3期地域福祉計画」を策定します。

 さらに、分野別の計画として、誰もが住み慣れた地域で自分らしい暮らしを安心して続けることができるよう、「高齢者福祉計画・第8期介護保険事業計画」や、障がいのある人や障がいのある児童の日常生活及び社会生活を総合的に支援できるよう、「第6期障がい福祉計画」及び「第2期障がい児福祉計画」を策定します。

 また、高齢者の自立を支援するため、「いきいき百歳体操」などを活用した市民主体の通いの場づくりの支援や、高齢者が積極的に社会参加できる機会づくりのほか、介護予防の更なる推進など重度化防止に取り組みます。

 障がいのある人が、安心して生活できる場の確保のため、グループホーム等の整備を支援してまいります。

 生活困窮者の自立を促進するため、訪問による早期からの相談支援体制を強化するとともに、居場所の提供を始めとする多様な社会参加や就労に向けた支援を充実してまいります。

 こうした、様々な課題を抱えた人や世帯を、包括的に支援する体制を構築するため、総合健康福祉センター内に、福祉保健部門や相談支援機関を移転・集約した、相談支援拠点の整備に着手します。

 また、外国人市民に対する日本語教室の開催や地域住民との交流を推進し、誰もが暮らしやすい、多文化共生の地域づくりにも取り組んでまいります。

豊かな自然を次世代につなぐ(重点施策1-5)

 重点施策5「豊かな自然を次世代につなぐ」でございます。

 令和元年度に策定する第2次廿日市市環境基本計画に基づき、市民・事業者・市がそれぞれの役割を認識し、互いに連携を図りながら、限られた人的・物的資源の範囲内で、「海と緑と人が育む環境創造都市はつかいち」の実現に向けた取組を推進してまいります。

方向性2 人を育む

 方向性2「人を育む」でございます。

子どもたちがたくましく自立し確かな学力を身につける(重点施策2-1)

 重点施策1「子どもたちがたくましく自立し確かな学力を身につける」でございます。

 すべての児童生徒の居場所づくりを進め、多様な学びの場を提供できるよう、不登校児童生徒に対する学習や生活の支援、学校復帰に向けた支援に取り組むとともに、安全で安心な学校給食を提供するためのドライシステム改修など、学校給食施設の整備を行います。

 国際感覚を身に付けた人材の育成に向け、台湾基隆市に中学生を派遣するとともに、姉妹都市ニュージーランドマスタートンに中学生などの学生が研修旅行で訪問します。また、英語教育の早期化・高度化に対応して、小学校中・高学年全普通教室に電子黒板を整備するなど、ICTを活用した教育を一層推進します。

 さらに、子どもの医療制度の内容を拡充するとともに、新たに3歳児健診時に精度の高い機器を用いた視機能の検査を行い、子どもの健やかな心身の成長と親子の健康増進を図ります。

郷土の歴史・文化を次世代につなぐ(重点施策2-2)

 重点施策2「郷土の歴史・文化を次世代につなぐ」でございます。

 宮島地域の歴史的まちなみを保存・復元・継承するため、伝統的建造物群保存地区内の建造物への補助支援を行うとともに、重要伝統的建造物群保存地区の選定に向けた取組を推進します。

 また、津和野街道でつながる島根県津和野町と吉賀町とともに、津和野街道交流記念事業を開催し、県境を越えた文化や歴史などのネットワークの構築に取り組みます。

未来を担う人づくり(重点施策2-3)

 重点施策3「未来を担う人づくり」でございます。

 多様な主体が知り合い、つながるための場と機会の提供を行うとともに、協働によるまちづくりを推進するため、「第3期協働によるまちづくり推進計画」を策定します。

方向性3 資源を生かす

 方向性3「資源を生かす」でございます。

ライフステージに応じた支援をする(重点施策3-1)

 重点施策1「ライフステージに応じた支援をする」でございます。

 現在、課題となっている待機児童対策として、民間保育園を整備するとともに、保育士確保施策を強化します。

 市内の民間保育園に常勤として勤務している保育士の、就労継続と新規雇用の拡大を目的に、新たに「がんばる保育士応援金」給付制度を創設し、市内保育園の見学ツアーや就職ガイダンスなどと合わせて人材確保に努めます。

 また、利用者が増加している児童会の環境を改善するため、大野西児童会の専用施設を新たに整備します。

 多様な働き方及び多様な人材の活用を推進するため、市内事業者のダイバーシティ経営に対する意識を高めるためのセミナーを行います。また、産業経済団体と連携し、外国人材の受入れに向けた取組を支援します。

地域のまちづくり活動を支える環境をつくる(重点施策3-2)

 重点施策2「地域のまちづくり活動を支える環境をつくる」でございます。

 地域自治組織が自らの地域の課題解決のために取り組む事業を支援するとともに、まちづくり・生涯学習の拠点となる市民センターを利用しやすい環境に整備するため計画的に改修します。

 中山間地域の地域力の維持・向上のため、吉和地域では、小さな拠点づくりを着実に進めるほか、お試しオフィス企業誘致を進めます。

 また、佐伯地域では、地区内外の交流の創出、地域住民主体の事業活動による生きがいづくりや生活サービスの確保のため、(仮称)玖島交流拠点施設整備事業として、旧玖島小学校の校舎改修工事の実施設計に着手するとともに、浅原交流拠点施設を活用して交流の促進と地域活力の創出を図ります。

 さらに、県立佐伯高等学校の魅力化として、学力の向上を目指した公営塾の運営や、佐伯高等学校が取り組む地域に根ざした教育活動や部活動の充実などを地域と連携して支援することにより、地域の未来を担う人材の育成を図ります。

地域資源の活用を図る(重点施策3-3)

 重点施策3「地域資源の活用を図る」でございます。

 フードバレーはつかいちの創出に向け、フードバレーはつかいち研究会が開発した商品の販路開拓や改良などを行うとともに、新たな商品開発にも取り組みます。

 伝統産業の振興の一環として、令和3年度に供用開始予定の宮島の地域拠点施設に設置する大杓子の補修を行います。

 また、引き続き「けん玉ワールドカップはつかいち」の開催を支援し、けん玉の更なる普及及び啓発を図ります。

 農業者や関係団体との連携により、本市の農業が目指す姿とそのために取り組む施策を明らかにする、農業振興ビジョンを新たに策定します。また、担い手の育成や農業の経営基盤の強化への支援、ICT技術の活用に向けた実証実験に取り組みます。有害鳥獣による農作物等への被害を防止するため、地域で一体となった有害鳥獣対策を中山間地域でモデル的に実施するとともに、箱わなの購入及び補修を支援します。

 林業の担い手の育成や民有林の集積・集約化を図るための調査を行うとともに、市産材の公共建築物への利用に向けた備蓄を行います。また、森林整備、間伐材の搬出、流通などに寄与する林道整備に取り組みます。

 安定的な水産資源の確保を図るため、大野地域沿岸の漁場の整備を行います。また、中山間地域の河川における水産資源の生態調査などを実施するほか、市管理の漁港について、長寿命化計画に基づく保全工事を進めます。

観光ブランド力の向上を図る(重点施策3-4)

 重点施策4「観光ブランド力の向上を図る」でございます。

 宮島での観光客の受入れ環境の充実を図るため、新たに島内2か所に無料公衆無線LANのアクセスポイントを整備します。また、近年増加する外国人観光客に対応するため、多言語版の弥山登山マップを作成します。

 さらに、今年10月から開催される「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」に合わせ、宮島の自然・文化・歴史を生かした伝統芸能公演などのイベントを開催します。

 宮島水族館においては、「いやし」と「ふれあい」をコンセプトとする水族館の新たな魅力を発信するため、新展示施設の整備に取り組みます。

 今年春に供用開始予定の宮島口旅客ターミナルにおいて、本市の観光情報の発信や市内産品の販売・PRを始め、賑わいを創出するイベントなどを通じて、市域全体への集客と経済効果を高めてまいります。

 瀬戸内海国立公園極楽寺山に隣接した豊かな自然に親しむ施設として、アルカディア・ビレッジをキャンプもできる多目的広場として、再整備します。

 増加するインバウンド需要に対応するため、市内の観光事業者等を対象に、外国人向けの商品やサービスの造成に関するセミナーを開催します。

 また、持続可能な観光地域づくりの推進に向け、本市にふさわしい観光地経営のあり方などについて調査・研究を行います。

方向性4 新たな可能性に挑む

 方向性4「新たな可能性に挑む」でございます。

はつかいちの新たな魅力を創造する(重点施策4-1)

 重点施策1「はつかいちの新たな魅力を創造する」でございます。

 既存の市民センター機能、体育館機能及び図書館機能に、新たに子育てや子どもたちの活動を支援・応援する機能を加えた複合施設を整備する筏津地区公共施設再編事業において、公民連携手法による事業実施者の選定を行い、着実に事業を推進してまいります。

 シティプロモーション事業では、シビックプライドの醸成と本市の認知度向上に向け、市民や近隣市町の人たちを対象に、本市の歴史や文化、産業等に関する学びと、その場に参加する人同士の交流が楽しめる講座を、新たに企画・開催します。

市民が主役!チャレンジを応援する(重点施策4-2)

 重点施策2「市民が主役!チャレンジを応援する」でございます。

 市内で起業、創業を考える人や創業間もない人に、経営全般にわたるサポートを継続的に実施します。

 また、子どもたちがスポーツへの関心を高め、スポーツを通じて夢や希望を持つことができるよう、子どもとトップアスリートとがふれあう機会を設けるほか、障がい者スポーツの普及・振興を図るため、障がい者スポーツ指導員の育成を支援します。

 市内の小学校を訪問して行うほほえみコンサートの開催とともに、文化ホールを拠点として活動する室内合奏団による質の高い演奏会の開催や、ジュニア弦楽合奏団など若い世代の育成に取り組むことにより、市民の文化芸術の振興を図ります。

行政経営改革の推進

 2020年の県内人口は、280万人を割り込むと推計されています。人口減少問題を始め、少子化、超高齢社会の進展などにより、今後、更に複雑、多様化する行政ニーズに対応するためには、限られた資源(人・モノ・金・時間・情報)を最大限に活用した、より効率的・効果的な行政経営が求められます。そのためにも、政策の目的や手段・効果を論理的に整理した上で、エビデンスに基づき、プロセスの合理性を明らかにしながら、次世代に恥じることのない政策判断と事業選択を可能とする仕組みを構築します。また、AIを活用した会議録作成システムの導入などにより、行政のICT化を進め、業務の効率化を図るとともに、職員のタイムマネジメント強化による時間外勤務の縮減など、更なる生産性の向上に努めます。

総合計画

 令和2年度は、第6次廿日市市総合計画前期基本計画の最終年次となるため、令和3年度からの5年間のまちづくりの方針を示す後期基本計画を策定するとともに、中期財政運営方針、行政経営改革指針、人材育成基本方針などの見直しを併せて行います。また、総合計画の実現に向け、より効率的、効果的な事業推進を可能とする組織体制づくりを考えます。

4 令和2年度の予算編成に関して

 令和2年度の予算編成でございます。

 以上、述べました方針と、戦略的な取組への重点配分を考慮しながら編成した結果、一般会計当初予算案の総額は、530億円、また、特別会計の当初予算案の総額は、8会計で、261億5,640万6千円、企業会計の当初予算案の総額は、3会計で、131億399万3千円となりました。

終わりに                                   

 私は、廿日市市は、まだまだ発展する大きな可能性を秘めた、「未来がおもしろい」素晴らしいまちだと思っています。

 そして、廿日市市に関係するすべての人が、自信と誇りを持ち、まちの未来に希望を感じ、日々のまちの成長に感動を覚えるまちにしたいと考えています。

 そのためには、市民の皆様の力、地域の絆の力、関係機関や団体の皆様の力を結集し、スクラムを組み「オールはつかいち」・「ONE TEAM」で、「市民一人ひとりが、幸せに暮らせるまちづくり」を目指してまいります。

 終わりに、市政の遂行に当たり、市議会議員各位並びに市民の皆様の格別なる御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げまして、施政方針とさせていただきます。

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