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令和7年度 廿日市市施政方針
令和7年度 廿日市市施政方針(令和7年2月12日)
1 はじめに
令和7年第1回廿日市市議会の開会に当たり、新年度の施政方針について御説明させていただき、市議会議員各位並びに市民の皆様の御理解と御賛同を賜りたいと思います。
昨年を振り返りますと、元日に石川県能登地方を震源とする令和6年能登半島地震が発生し、甚大な被害をもたらしました。さらに、その復興途中であった9月には、被災地を豪雨が襲い、河川氾濫や土砂災害などによる二重被害が多く発生し、改めて災害は時と場所を選ばないということを痛感しました。
また、8月には日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、南海トラフ地震臨時情報が初めて発表されるなど緊張に包まれました。
被災された全ての皆様にお見舞い申し上げるとともに、1日でも早い復旧・復興を切に願っています。
本市においても廿日市市地域強靱化計画に基づき、国や広島県、民間事業者などとの連携のもと、市民の生命・財産を守ることを最優先に、ハード・ソフトの両面から防災対策に取り組んでいきます。
国政においては、10月に第1次石破内閣が発足し、そのわずか8日後に衆議院を解散、衆議院議員総選挙を経て、11月には第2次石破内閣が1994年以来、30年ぶりの少数与党という形でスタートすることとなりました。
この選挙結果は、変わろうとしない政治に対する国民の意思表示であると受け止めており、地方自治体にとっても無関係ではいられません。
本市も社会の変化に対応する市役所に進化し続ける必要があり、その内容について市民の皆様にお伝えしていかなくてはなりません。そのためにも、これまで以上に分かりやすい情報発信に努めていきます。
世界に目を向けると、ロシアによるウクライナ侵攻、中東地域における報復の応酬などにより、多くの尊い命が奪われ、世界平和実現への道のりは、いまだ遠いものとなっています。
そのような状況にあって、昨年の12月に日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞しました。世界が核の脅威にさらされる中、この受賞は大変意義深く、授賞式における日本被団協の田中熙巳さんの演説は、被爆者の実体験から核兵器の廃絶を強く訴えるもので、私達の世代が受け継ぐべき原点を示すものでした。改めて、平和は決して当たり前のものではなく、私たち一人ひとりの意識と行動により守っていかなければならないと強く感じているところです。
今年は戦後80年を迎える重要な節目の年であり、核兵器廃絶と世界平和実現に向けての取組が、より大きな意味を持つことになります。本市においても、核兵器廃絶宣言都市として、未来をつくる子どもや若者の平和意識を高める行事をはじめ、平和を祈念する様々な事業を全庁的な取組として展開していきます。
2 市政運営の基本的考え方
市政運営の基本的考え方についてです。
わが国全体において、人口減少、少子高齢化の進展は続いており、特に、令和7年(2025年)は「団塊の世代」が後期高齢者となる年であり、人口構造の変化などによる様々な問題が顕在化すると考えられています。本市においても、市民の3人に1人が高齢者となる見込みで、生産年齢人口の減少や地域経済の衰退が懸念されています。
政府が示した地方創生の基本的な考え方では、「人口が減少する事態を正面から受け止め、人口規模が縮小しても経済を成長させ、社会を機能させる適応策を講じていく。」としています。これは、これまで本市が戦略的に取り組んできた、まちづくりの考え方そのものです。引き続き、人口減少後のまちの未来を見据えた持続可能なまちづくりを推進し、子どもから高齢者まで、あらゆる世代が安心して住み続けることができるよう取り組んでいきます。
また、先日、総務省が発表した住民基本台帳人口移動報告で広島県が4年連続で全国最多の転出超過となる中、本市においては10年連続で転入超過となる見込みです。しかしながら、進学や就職などが要因と思われる10代、20代の若者の社会減という傾向は広島県と同様であり、共通の課題となっています。
国は、地方創生に向けた施策の方向性として「若者や女性に選ばれる地方の生活環境の整備」を掲げています。本市もこの施策に呼応して、人が集まり、更なる賑わいと魅力のある、若者に選ばれるまちづくりを進めるとともに、強みである子育てしやすいまちづくりを進めることで、市内外の若者に「廿日市市に住みたい、廿日市市で子育てがしたい」と思ってもらえるよう全力で取り組んでいきます。
こうしたまちづくりの実現には、健全性を保持し、バランスの取れた財政運営が必要となります。本市の財政状況については、依然として社会保障関係費や物件費、人件費が増加するとともに、長引く物価高騰の影響が深刻となっています。引き続き、限られた財源を有効活用し、将来を見据えた戦略的な取組への重点配分を行い、まちの成長を促進しつつ、中期的な見通しの下、持続可能な財政基盤の構築に努めていきます。
政府は昨年11月に発表した「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」において、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済の実現、そして「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への移行を確実なものとすることを目指すと掲げています。その大きな柱である、「日本経済・地方経済の成長」では、地方こそ成長の主役であるとの考え方に立ち、地方創生2.0を起動させることを最重要課題の一つとしており、具体的な施策の展開や効果の発現は、まさに、これから期待されるものです。
国・地方ともに「待ったなし」の課題が山積している現状を踏まえ、本市としても、国や県との連携を更に強化し、スピード感をもって施策を実施し、すべての市民がそれぞれの立場で豊かさを実感できるWell-being(ウェルビーイング)の地域社会の実現を目指していきます。
3 令和7年度のまちづくりの重点的・戦略的取組
令和7年度のまちづくりの重点的・戦略的取組についてです。
「成長を続け、人を守りはぐくむまちへ」、「ポテンシャルを活かし、未来を切り拓く挑戦」、この二つの視点・方向性の下、新たな行政課題への対応や次世代を見据えたまちづくりに取り組んでいきます。
子育てしやすいまちづくり
子育てしやすいまちづくりです。
こどもが主役のまちの実現に向け、子育て世代の経済的負担の軽減や、子育て・教育環境の整備、共働き・共育ての推進などに取り組みます。
0歳児から2歳児までの保育料算定時において、多子世帯の子どもの人数をカウントする際の年齢制限と保育施設利用要件を廃止し、第3子以降の無償化対象を拡大することで、多子世帯の負担を軽減します。働く保護者が安心して子育てができるよう、病児保育室の年間登録料及び利用料を無償にします。将来の社会の創り手となる人達が希望に沿って安心して修学できるよう、奨学金の貸付について、他制度との併用ができるようにするほか、貸付月額を増額するなど制度を拡充します。
公立保育園における昼寝用簡易ベッド「コット」の試験的導入や、おむつのサブスクリプションサービス実証実験など保育園利用に伴う保護者負担の軽減に取り組みます。
市内の認可保育施設の職員に対して、新規採用の常勤保育士への一時金や、継続して勤務する常勤職員への奨励金を支給するほか、保育補助者の保育資格取得に係る費用を補助するなど、市全体における人材の確保と質の高い保育環境を目指します。
市内企業を対象に男性の育児休業や子どもの看護休暇の取得に対する奨励金の支給をはじめ、子育て応援企業の登録制度を創設し、仕事と子育てが両立しやすい職場環境や子育て支援の社会的気運の醸成を図ります。
本市で暮らす全てのこどもや若者、子育て世代が、将来にわたって幸福な生活を送るための基本的な方針や施策を定める、「廿日市市こども計画」については、当事者の意見を聴き取り、その思いを反映させながら策定します。
こどもの発達特性を早期に発見し、特性に合わせた適切な支援を行うため、全ての5歳児を対象とした健康診査を実施し、医療機関、保育園、学校等と連携した就学へ向けての支援など必要なサポートを行います。
また、不登校児童生徒にとって安心できる居場所をつくり、学習の機会を保障するとともに、学習面や生活面における困難さを抱えている児童生徒に適切な支援を行うために、子どもつながり支援員の勤務時間を拡充するほか、環境向上のために子ども相談室大野教室を移転します。
都市構造の再構築、コンパクトシティの形成
都市構造の再構築、コンパクトシティの形成です。
市街地の住工混在の解消や市外企業の新規立地による都市活力の創出に向けて、新機能都市開発と未来物流産業団地の二つの開発事業を円滑に進めるため、当該地区において、都市再生整備計画事業によるインフラなどの整備に取り組みます。また、市役所周辺のシビックコア地区が都市機能や人口が集積し、市内外の多くの方々で賑わい、魅力的なエリアとなるよう取り組みます。ついては、昨年11月に策定したまちづくり基本計画において、都市拠点としての機能の向上を図るため土地利用や公共施設の再編を図る区域として位置付けた面的整備検討区域について、関係者とまちづくりの整備手法など具体的な話し合いを進めていきます。
ゼロカーボンシティの推進
ゼロカーボンシティの推進です。
廿日市市地球温暖化対策実行計画に基づき、2050年カーボンニュートラルの実現を目指します。
エネルギーの地産地消や再生可能エネルギーの活用による地域の脱炭素化に向けて自治体新電力会社を設立し、段階的に公共施設への電力供給や、地域貢献事業を展開していきます。
プラスチックの資源化品目の拡大による処理方法の変更に伴い、旧廿日市清掃センターを解体し、ストックヤードを整備するため、その解体に係る調査等を実施します。
環境負荷低減に向けた取組として、家庭系燃やせるごみ袋に植物を原料とするバイオマスプラスチックを配合し製造を開始するほか、公用車の電動車化や公共施設の照明LED化、市民・事業者向けの創エネ・省エネ設備の導入支援、二酸化炭素の吸収源としての森林調査などについても継続して進めていきます。
持続可能な観光地域づくり
持続可能な観光地域づくりです。
昨年の宮島の来島者数は、外国人観光客の大幅な増加などにより、約485万人と過去最高を記録しました。
また、観光庁において、先月発表された昨年の訪日外国人客数は、約3,686万人、観光消費額は約8兆円と、ともに過去最高を記録するなど、観光は日本経済を支える柱として成長しつつあります。
昨年12月には、アメリカのホテル大手であるヒルトンが、宮島の対岸である宮島口地区に、高級ホテルを開業するとの発表がありました。
観光は成長戦略の柱、地方創生の切り札であり、その鍵となる観光産業の振興については、訪日外国人観光客の地方への誘客が課題とされるなか、ハード・ソフトの両面にわたり、高付加価値な観光地づくりが求められています。
今後、こうした、世界の観光トレンドを視野に、そこに乗り遅れることのないよう、量だけでなく、観光の質の向上に力点を置き、選ばれ続け、何度も訪れたくなる観光地、また、観光消費の拡大による地域経済の活性化に寄与するサステナブルな観光地を目指し、地域や事業者、関係団体と一体となって取り組んでいきます。
観光データやマーケティングに基づき、稼げる地域・持続可能な観光地域づくりを戦略的に取り組む「はつかいち版DMO」の令和7年度末の設立に向け準備を進めます。
オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた取組として、宮島口地区への大型LEDビジョンの設置による駐車場の満空情報などの周知や、宮島島内のトイレ整備の検討、観光マナー情報の啓発・PRなどに取り組みます。
また、令和7年4月から開催される大阪・関西万博を契機に、市の観光資源の魅力を発信するなど国内外からの誘客を図るためのプロモーション等を行い、宿泊の増加や滞在時間の延長による観光消費額の増加につなげます。
スポーツを核としたまちづくり
スポーツを核としたまちづくりです。
本市が有する豊富なスポーツ資源を活かして、スポーツをまちの活力の核にしていきます。
県西部のスポーツ拠点として大幅なリニューアルに着手しているHIROHAI佐伯総合スポーツ公園では、誰もが様々なスポーツを楽しむことができる多目的広場の完成を目指します。また、昨年9月に大規模改修が完了した野球場では、4年連続となるプロ野球ウエスタン・リーグの公式戦や、昨年に引き続き、女子野球タウンフェスティバルを開催するなど、中山間地域における交流人口の拡大や、女子野球タウンの認知度向上につなげていきます。
障がいのあるなしにかかわらず、誰もが様々なパラスポーツを楽しめる参加型イベント「インクルーシブ・スポーツ・フェスタ広島2025」の廿日市市開催に合わせた関連イベントを実施し、スポーツを通じた多様性を認め合う共生社会の実現を目指します。
また、本市の貴重なスポーツ資源をまちづくりに活かし、スポーツを核としたまちづくりを推進するビジョンとなる、次期スポーツ推進計画の策定に着手します。
持続可能な中山間地域への対応
持続可能な中山間地域への対応です。
恵まれた自然環境をはじめ、森林や農地が持つ多面的機能、神楽や津和野街道等の歴史文化を有する中山間地域の恩恵は、そこで暮らす住民のみならず、全ての市民が享受する共通の財産であり、多様な主体と連携して豊かで持続的な中山間地域の実現を目指します。
人口減少や少子高齢化が進行する現状を踏まえ、中山間地域の目指す姿や、それを実現させるための市民の役割や市が行うべき施策について、集落実態調査やワークショップ、アンケート等の結果を基に、住民との対話を重視しながら(仮称)廿日市市中山間地域振興ビジョン等を策定します。
また、中山間地域における「交流・関係人口の拡大・創出」に向け、来訪者の人流動態分析を実施し、効果的な施策の展開につなげていきます。
地域の課題解決に取り組む地域自治組織への中山間地域活力創出事業補助金や、市外から中山間地域に転入する子育て世代への住宅購入費用の一部補助等も継続して実施し、地域力の維持・向上や移住・定住人口の増加に取り組んでいきます。
DXの推進
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進です。
引き続き、いつでも、どこでも、簡単、便利に行政サービスが利用できる市役所の実現に向け、対話型電子申請等サービスや、タブレット端末を活用したスマート窓口対応手続を拡充します。また、廿らつプラチナボランティアポイント制度の対象を、ボランティア活動に加えて、自らの介護予防や健康づくり活動にも拡大し、アプリを活用した運用で、高齢者の健康増進、社会参加を推進します。
デジタル技術を活用した、誰もが利用しやすい公共交通を目指して、市自主運行バスでモビリーデイズとマイナンバーカード連携の実証実験を検証し、高齢者運賃割引の本格導入に向けて取り組んでいきます。
また、宮島航路でのモビリーデイズ導入に合わせ、宮島訪問税の課税対象外者及び年払い納付者が有人改札で証明書の提示をすることなく、ワンタッチで通過することができるよう、モビリーデイズと宮島訪問税の情報連携サービスを開始します。
4 令和7年度その他の主要事業
次に、第6次廿日市市総合計画に掲げる四つの方向性に沿って、新規・拡充事業を中心に、主な取組を説明します。
方向性1 くらしを守る
方向性1「くらしを守る」です。
高齢者の帯状疱疹の発症や重症化を予防するため、65歳及び経過措置として70歳から100歳までの5歳刻みの年齢等を対象に帯状疱疹ワクチンの定期接種を開始します。
災害時に自ら避難することが困難な避難行動要支援者の個別避難計画の作成を着実に進めるため、対象者名簿を精査するとともに、自宅の災害リスクや避難先、平常時の備え等について通知し、防災意識の醸成を図ります。
医療的ケアが必要な人や強度行動障がいのある人を支援するグループホームについて検討するため、先進的な取組や必要な支援などについて調査を行います。
高齢者が可能な限り住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるように、引き続き高齢化が著しい過疎地域へ介護サービスを提供する事業所への支援や、介護職員の資格取得等に対する支援を行います。
都市間・地域間の道路ネットワークの強化を図るため、広島南道路、臨港道路廿日市草津線及び県道廿日市環状線などの整備促進を図るほか、街路畑口寺田線、熊ヶ浦鯛ノ原線、堂垣内広池山線、鳴川3号線などの幹線道路及び補助幹線道路等の整備を推進します。
昨今の首都圏を中心とした住宅を狙った強盗事件の発生により、市民の犯罪に対する不安が拡がっている中、犯罪の未然防止を図るため、住宅に設置する防犯カメラなどの防犯設備の設置補助制度を創設するとともに、防犯や交通安全に関する啓発活動を行う、くらし安全指導員を1名増員し、青色防犯パトロールの強化などに努めます。
また、犯罪被害者等への支援として犯罪被害に遭われた方やその御家族が地域で安心して暮らすことができるよう、相談窓口の更なる充実を図るとともに、日常生活の支援を行うための助成金を支給するなど、犯罪被害者等への支援を推進していきます。
街区公園の樹木について、樹種・位置・状態等を把握するための調査を実施し、街区公園の持続的な管理方針等の策定につなげていきます。
方向性2 人を育む
方向性2「人を育む」です。
学校の教育環境及び災害時の避難所における生活環境の充実を図るため、小・中学校の体育館に空調設備を整備するための調査検討を行い、令和8年度夏からの段階的な導入を目指します。
宮島の積み重ねた歴史とその価値を守り、正しく継承していくため、「宮島の歴史」の編纂(へんさん)に向けて準備を進めます。また、伝統的建造物である旧若狭家の公開施設整備に向けた調査を行います。
方向性3 資源を活かす
方向性3「資源を活かす」です。
令和7年3月24日に開業予定の広島新駅ビル(minamoa)において、展示・イベント等を通じて本市の地域資源の魅力を発信するとともに、地上波テレビやWEBコンテンツなどと連動し効果的なPRを行うことで、それぞれのコンテンツの認知・訴求や興味関心の掘り起こしを図ります。
有害鳥獣による被害の増加に対応するため、捕獲体制などの強化とともに、防除用施設設置に対する補助金の拡充を図り、捕獲と防除の両輪による対策を強化します。
地域自治組織のまちづくり活動を支える、企業や団体等の多様な支え手の確保に向けて、令和6年度に実施したニーズ調査や課題のヒアリング結果を踏まえ、地域と企業等が連携したまちづくりのモデル事業を実施します。
方向性4 新たな可能性に挑む
方向性4「新たな可能性に挑む」です。
宮島口地区については、引き続き、宮島口旅客ターミナル前のロータリー部、市道赤崎3号線のハード整備や、宮島口地区渋滞対策、エリアマネジメントによる地元主体のまちづくりの促進などのソフト対策を推進するとともに、JR宮島口駅周辺における今後の整備に係る調査・検討を行います。
施設・設備の長寿命化や、耐震化、バリアフリー化などが必要となっている、はつかいち文化ホールについて、特定天井等改修工事の基本設計や官民連携手法の導入可能性調査を行います。
5 予算編成について
以上、述べました方針と、重点的・戦略的な取組への配分を考慮しながら予算編成した結果、令和7年度一般会計当初予算案の総額は、637億8千万円、また、特別会計の当初予算案の総額は、8会計で、272億6,826万円、企業会計の当初予算案の総額は、2会計で、102億9,363万8千円となりました。
6 終わりに
以上、令和7年度の市政運営における基本的な考えについて述べさせていただきました。
社会全体が目まぐるしいスピードで変化しています。急速なデジタル化や価値観の多様化など、多くの変化が私たちの生活に影響を与える中、行政にはこれまで以上に柔軟で迅速な対応が求められています。
現在、私たちはこの変化に対応すべく、2035年度を目標年次とする次期廿日市市総合計画の策定を進めています。市の将来像を検討するにあたっては、小学生、中学生、高校生、大学生、若者移住者、子育て世代、高齢者などへのアンケートや、様々な分野の団体へのインタビュー、若者・子ども夢会議、地域の方々とのワークショップなどで幅広い意見をいただきました。そこからは「つながり」や「安心」、「ワクワク」「挑戦」、自然や歴史・文化をつなぐといったキーワードが浮かび上がっています。
廿日市市は、社会の変化を先取りし、「進化するまち」であり続けたいと考えています。そのためには市民一人ひとりの力が不可欠です。先行きが不透明な時代だからこそ、互いに支え合い、ともに手を携えながら、市民の皆様が心身ともに健康で安全に快適な生活を送ることができる、優しさに溢れ、希望に満ちた未来を築いていきたいと考えています。
終わりに、市政の遂行に当たり、市議会議員各位並びに市民の皆様の格別なる御理解と御協力を賜りますようお願いし、施政方針とします。