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令和8年度 廿日市市施政方針

ページID:0137637掲載日:2026年2月24日更新印刷ページ表示

令和8年度 廿日市市施政方針(令和8年2月24日)

1 はじめに

 令和8年第1回廿日市市議会の開会に当たり、新年度の施政方針について御説明させていただき、市議会議員各位並びに市民の皆様の御理解と御賛同を賜りたいと存じます。

 昨年、我が国では初めて女性の内閣総理大臣が誕生し、広島県においても県政史上初となる女性の知事が誕生しました。こうした新たな時代の流れの中、国や県との連携を一層深め、基礎自治体として市民の皆様のより豊かな暮らしの実現に向けて取り組んでまいります。

 そのための指針となるのが、本年4月から本市の最上位計画としてスタートする「はつかいち未来ビジョン2035」です。本ビジョンに掲げる「市民一人ひとりがともに幸せに暮らせるまちづくり」という基本理念のもと、「社会変化に対応した持続可能なまちづくり」、「安全・安心な暮らしの確保」、「多様性と包摂性のある地域社会の実現」、「多様な主体によるまちづくり」を重要な視点として、各分野の施策を着実に推進してまいります。

 昨年は、全国各地で大規模な火災が相次ぎました。3月に発生した今治市林野火災では、本市からも緊急消防援助隊を派遣し、昼夜を問わず消火活動に従事しました。11月には、大分市佐賀関で、180棟以上の建物が焼失する大規模火災が発生しました。

 また、火災にとどまらず、12月には、青森県東方沖を震源とする最大震度6強の地震が発生しました。さらに、本年1月には、島根県東部を震源とする最大震度5強の地震が発生し、本市においても複数回にわたり揺れを観測するなど、防災・減災に向けた不断の取組が、市民の生命・身体・財産を守るための重要な礎であることを再確認させられるものとなりました。南海トラフ地震の発生も想定される中、防災体制の強化や関係機関との連携強化、地域防災力の更なる向上を図り、市民が安心して暮らせるまちづくりに引き続き取り組んでまいります。

 記録的な猛暑となった昨年の夏は、海水温の上昇などの影響で、養殖かきの大量へい死が発生しました。かき養殖業者の経営安定化及び事業継続に向けて、引き続き、国や県と連携しながら、必要な支援に取り組んでまいります。

 我が国の経済の先行きについて国は、今年1月の月例経済報告において、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかに経済の回復を支えることが期待されるものの、今後の物価動向や米国の通商政策などの動向が景気を悪化させるリスクがあり、留意する必要があるとしています。

 海外の情勢に目を向けますと、令和7年版防衛白書では、中国による東シナ海等における力による一方的な現状変更の試みや活動の活発化が指摘されています。また、ロシアによるウクライナへの侵略など、力による一方的な現状変更は、国際秩序の根幹を揺るがすものです。国際社会の安定が損なわれれば、私たちの暮らしや地域の安全にも少なからず影響を及ぼすことになります。

 こうした緊迫した国際情勢を踏まえ、市としても、平和を希求する姿勢を堅持し、次代を担うこどもたちにその大切さを伝えていく責務があると考えています。その中で、昨年、戦後80年という大きな節目を迎え、本市は核兵器廃絶宣言都市として様々な取組を展開してまいりました。今後も引き続き、歴史の教訓を未来へ正しく伝承し、互いを尊重し合う社会を育むための教育・交流・発信を着実に実施するとともに、日本非核宣言自治体協議会や平和首長会議での活動などを通じて、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けた取組を推進してまいります。

 昨年は、宮島への来島者数が過去最多の約497万人となりました。宮島の厳島神社が、世界遺産に登録されて30周年を迎える本年は、観光プロモーションや、地域を巻き込んだイベント開催など、観光客を呼び込む取組を進めてまいります。

2 市政運営の基本的考え方

 市政運営の基本的考え方についてです。

 令和7年の国内出生数(※)は、速報値では、66万人台で過去最少になることが見込まれています。本市においても、住民基本台帳ベースで約650人と、過去最少となる見込みで、少子化の波に歯止めがかからない状況にあります。これに加え、急速に進む社会の高齢化、労働力不足に伴う産業構造の変化、社会保障制度の持続性、地域コミュニティの脆弱化など、社会全体の基盤を揺るがす課題が深まっています。

 一方で、転入超過が続く本市は、国による正式な発表は先になるものの、住民基本台帳の集計値による見込みでは、令和7年も転入超過の結果となっています。今後も「住み続けたい」、「住んでみたい」と思っていただけるまちづくりに邁進してまいります。

 昨年11月に閣議決定された「『強い経済』を実現する総合経済対策」では、責任ある積極財政の下、成長投資や危機管理投資を通じて雇用と所得の拡大などを図り、その成果を地方や中小企業を含む国民全体に行き渡らせることで、日本全体を強く豊かな社会へと導くことを目指す方向性が示されました。

 現状では、エネルギーや食料品価格をはじめとする物価高騰が続くとともに、金融政策の転換を背景に金利上昇の動きも見られます。株価は史上最高水準で推移しているものの、実体経済とのかい離も指摘されるなど、先行きには依然として不確実性が伴います。これらの動向は、市民生活や地域経済、市の財政運営にも影響を及ぼすことから、引き続き注視していく必要があります。

 価値観の多様化が進む中で、こどもや若者、高齢者、障がいのある人、外国人、生活に困難を抱える人など、多様な背景を持つ人々が安心して暮らせる社会の実現が国の重要課題となっています。このような国全体の潮流や課題意識は、本市が抱える地域社会の状況とも重なります。今後も、多様性と包摂性のある地域社会の実現に取り組んでまいります。

 また、人口減少と少子高齢化が進む中で、地域の担い手不足や生活支援ニーズの増大など、地域の持続性に直結する課題が顕在化しています。これらに対応するためにも、特に若者、子育て世代の定住促進や、交流・関係人口の拡大を図ってまいります。

 財政面では、生産年齢人口の減少による税収の伸び悩みに加え、物価高騰や人件費・社会保障費の増加などにより、今後も厳しい状況が続くことが見込まれます。こうした中、中期財政運営方針に基づき、事業の選択と集中を進めるとともに、安定的な財源の確保の観点から、都市計画税の見直しや宮島訪問税の検証に着手するとともに、市有財産の有効活用にも積極的に取り組みます。限られた財源を有効活用し、施策の着実な実行と財政健全化の両立を図りながら、持続可能な財政運営に取り組んでまいります。

 さらに、行政経営改革指針に基づき、施策の着実な推進、事務事業の改善や経営資源の適切な配分など、PDCAサイクルを確実に実行し、効率的かつ効果的な行政経営を行います。

 併せて、市民、企業、団体、地域、行政など多様な主体が互いに理解し、尊重し合い、それぞれの強みや個性を生かしながら、対等な立場で協力する「協働によるまちづくり」を着実に進めてまいります。

 2月8日には、衆議院議員総選挙が執行されました。今後の政治情勢や政策の方向性などについては、より注視していく必要があります。こうした変化にも柔軟かつスピード感をもって対応します。

※国内で生まれた日本人の数

3 令和8年度のまちづくりの戦略的取組

 令和8年度のまちづくりの戦略的取組についてです。

 はつかいち未来ビジョン2035で掲げる「未来を見据えた都市構造の再構築」、「未来をつくる人への投資」、「地域資源の未来への継承」の3つの柱のもと、「選ばれるまち」、「暮らし続けたいまち」としての魅力をさらに高めていきます。

(未来を見据えた都市構造の再構築)

 1つ目の柱、「未来を見据えた都市構造の再構築」についてです。

シビックコア地区整備事業

 シビックコア地区整備事業です。

 主要な都市機能が集積するシビックコア地区において、新たな都市基盤や交通ターミナルの整備、公共施設の集約・再編、まちなか居住や民間商業・サービス施設の誘導を進め、更なる賑わいと魅力ある都市拠点を形成します。

 また、公民連携により地区内に交流・滞在空間を生み出し、居心地が良く歩きたくなるウォーカブルなまちづくりを目指します。

 これらの取組を実現するため、面的整備検討区域の関係権利者と丁寧に対話を重ねながら、まちの将来像や事業計画案の策定に向けた検討を着実に進めます。

 本事業は、今後さらに進行する人口減少社会において、各自治体が「選ばれるまち」を目指すことにより起こる自治体間競争を勝ち抜くために必要不可欠な事業であり、さらに、次世代に向けて暮らし続けたいと感じていただける機会を提供できるものでもあると考えています。

新機能都市開発事業

 次に、新機能都市開発事業です。

 平良丘陵地区においては、市内企業の移転や市外企業の新規立地を促し、将来を見据えた活力の創出に向け、地権者による「平良丘陵開発土地区画整理組合」との協働を基軸に、令和9年度の造成完了を目指し、電線共同溝をはじめとする都市再生整備計画事業による公共整備などを推進します。

 観光交流エリアについては、事業候補者において、宿泊・商業・温浴施設等で構成する、唯一無二の観光施設として計画が進められています。市としても、木育体感施設や公園・緑地、広域観光の交通結節点となる交通広場等の整備に向けた取組を進め、市内外の方々に喜んでもらえる、魅力あるエリアとなるよう、公民連携で取り組んでいきます。

未来物流産業団地造成事業

 次に、未来物流産業団地造成事業です。

 既成市街地における住工混在の解消を図り、計画的な土地利用を推進することで、都市機能の再構築と生活環境の向上を目指します。併せて、市外企業の誘致・市内企業の留置を進めることにより、税収の増加や雇用の創出を通じて、人口流出の抑制と地域経済の活性化を図ります。

 また、企業移転後に生じる跡地については、適正な土地利用を促進することで、市街地の健全で持続可能な発展につなげます。

 本事業については、今年1月19日に起工式を執り行いました。今後は、調整池の整備をはじめとする造成工事を計画的に進め、円滑な事業推進に取り組んでいきます。

(未来をつくる人への投資)

 2つ目の柱、「未来をつくる人への投資」についてです。

こども若者・子育て支援

 こども若者・子育て支援です。

 上平良・原地区における新たな保育需要に対応する認定こども園を整備するとともに、廿日市東区域の幼稚園の認定こども園化を支援し、0歳から2歳までを中心とした年度途中の待機児童の解消を図ります。

 こどもの健やかな育ちを応援し、保護者の育児負担の軽減を図るため、保育園等に通っていない生後6か月から3歳未満のこどもが利用できる「こども誰でも通園制度」を開始します。

 訪問看護サービス等を活用し、公立保育園における医療的ケア児の受入れ体制を拡充します。

 「共働き・共育て」の推進に向けて、市内事業者を対象に、男性育児休業取得促進奨励金や男性の子の看護等休暇取得促進奨励金などにより支援します。

(地域資源の未来への継承)

 3つ目の柱、「地域資源の未来への継承」についてです。

歴史や伝統文化の継承

 歴史や伝統文化の継承です。

 伝統的建造物群保存地区の保存活用を図るため、建物等の修理・修景工事の経費の一部、伝統的建造物群保存地区内で活動する団体の活動経費の一部を補助します。併せて、伝統的建造物の意匠や耐震性に係る調査を行います。また、伝統的建造物である旧若狹家の公開施設整備に向けた実施設計を行います。

 長い営みの中で先人が築き上げてきた宮島の歴史文化や民俗、伝統産業などの情報を正しく伝え、保存・継承するための拠点施設として「(仮称)宮島ミュージアム」の整備に向けた取組を進めます。

 宮島の普遍的な価値を明らかにし、その価値を守り、継承する「宮島の歴史」の編さんに向け、宮島の歴史編さん委員会等の開催、資料調査、収集資料等のデジタル化を行います。世界遺産を有する宮島の歴史を後世に継承することは、本市の責務であると考えています。

 国立文化財機構奈良文化財研究所と協力し、冠遺跡群の追加発掘調査を進め、遺跡の年代や広がりを確認するとともに、一般公開やシンポジウムの実施を通じて、その価値の発信や文化財保護への意識醸成を図ります。

廿日市市中山間地域まちづくりビジョンの着実な推進

 次に、廿日市市中山間地域まちづくりビジョンの着実な推進です。

 地域の価値を次世代に引き継ぎ、誰もが豊かに暮らせる中山間地域を目指して、10年間で取り組む施策を示した「廿日市市中山間地域まちづくりビジョン」の策定を進めています。このビジョンをもとに、中山間地域の持続可能な発展と、市民が安心して暮らせる地域づくりを着実に推進します。

 令和8年度は新たに、ビジョンを広く周知し、市民に浸透させるためのシンポジウムを開催するとともに、関係人口の創出に向け、地域外から新たな担い手を呼び込むための住民向けワークショップの開催や受入方法の構築などのモデル事業に着手します。

 リニューアルオープンするHIROHAI佐伯総合スポーツ公園多目的広場では、スポーツ大会やイベント開催などの誘致に取り組むとともに、野球場においては、引き続き、プロ野球2軍公式戦や女子野球タウンフェスティバルを開催するなど、賑わい創出の場として活用し、集客力の向上と利用者の増加を図ります。

 また、地域の課題解決に取り組む地域自治組織への中山間地域活力創出事業補助金や、市外から中山間地域に転入する子育て世代への住宅購入費用の一部補助、広電バス津田線の上限運賃制度、中山間地域への来訪者の人流動態分析等も継続して実施し、地域力の維持・向上や移住・定住人口の増加に取り組みます。

 吉和地域では、市有財産を活用した民間主体の取組により、ウイスキー蒸留所を併設したテーマパークの整備が、令和9年春の開業に向け進んでいます。今後、民間事業者の様々な動きを注視しながら、新たに中山間地域で観光産業を根付かせ、持続可能な地域となるよう公民連携で取組を進めます。

宮島まちづくり基本構想の着実な推進

 次に、宮島まちづくり基本構想の着実な推進です。

 この宮島まちづくり基本構想の推進には、「宮島に暮らす人」、「宮島で働く人」はもとより、「宮島に想いをはせる人」、「宮島を訪れる人」など、宮島に関わる全ての人が連携し、宮島地域を取り巻く課題を共有し、一体となってまちづくりを推進する必要があります。

 その多様な主体によるまちづくりが円滑に推進されるよう、一体感の醸成及び調整を図ります。

 また、宮島地域の生活道路の安全確保、利便性を向上させるとともに、歴史的町並みの保存・再生に寄与する無電柱化事業を推進します。

 包ヶ浦自然公園については、宮島包ヶ浦自然公園利活用方針の具体化に向け、昨年から、宮島地域内の各種団体の方々の参画のもと、包ヶ浦自然公園整備計画の策定に向けたワークショップを重ねてきています。市民開放エリアについては、豊かな自然を生かした様々な取組など、多くの貴重な意見をいただき、一定の方向性が見えてきました。令和8年度も引き続き、関係者と協議しながら、この方向性に基づく取組や施設整備等の具体化を図っていきます。

 収益事業エリアについては、サウンディング調査の結果や地域の声も伺いながら、滞在型施設の公募に向けた条件を整理し、令和8年度の公募に向けて取り組んでいきます。

 さらに、国内外から500万人近くの人々が訪れる宮島を持続可能な観光地として後世に継承するため、宮島の普遍的価値や魅力を国内外に向けて発信していくほか、世界遺産登録30周年を記念した様々な事業を通じて、宮島の自然・文化・歴史的な意義と価値を理解し、深めていただけるよう、取り組んでまいります。

4 物価高騰対策

 物価高騰対策です。

 国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、様々な取組を行います。

 食料品をはじめとする物価高騰の影響を受ける生活者を支援するため、全市民を対象に一人当たり3,000円の給付金を支給します。併せて、住民税非課税世帯に対しては、世帯員一人につき3,000円を追加給付します。

 子育て世帯への支援として、小学校の給食費について、国の給食費負担軽減交付金に上乗せし、無償化を実現します。この小学校の給食費無償化は恒久的に行います。また、中学校については、令和8年度の給食費を半額支援します。併せて保育園等の副食費高騰分の一部に対し支援を行います。

 また、国の総合経済対策に基づく「物価高対応子育て応援手当」を給付するとともに、本市独自の取組として、令和8年度に出産した産婦を支援するため、「物価高対応産婦応援手当」を支給します。

 市内で活動するこども食堂等の安定的な運営を支援するため、食材料費などに対し補助金を交付します。

 高齢者への支援として、インフルエンザ定期接種を受けやすくし、高齢者の皆様が元気に過ごすことができるよう、接種に係る自己負担を無料とします。加えて、市内の介護サービス事業所や障害者支援施設等の安定的な事業継続のための補助を行います。

 かき養殖業者への支援として、養殖かきのへい死や物価高騰の影響を受ける養殖業者の経営改善と事業継続のため、融資にかかる利子補給や、かき養殖資材の高騰に対応した支援金を給付します。

 さらに、原油価格高騰による運行費用の増大等により収支が悪化している生活交通路線の維持を図るため、運行事業者に対する支援を行います。

 今後も交付金を効果的に活用し、実情を的確に踏まえながら、更なる物価高騰対策の充実に取り組んでいきます。その際、支援する対象を明確にし、確実にその効果を発揮できるよう取り組んでいきます。

5 令和8年度その他の主要事業

 次に、はつかいち未来ビジョン2035に掲げる8つの分野別に、新規・拡充事業を中心に、主な取組を説明します。

《分野1 こども・子育て・教育》

 分野1「こども・子育て・教育」です。

 こども基本法に基づき、こども・若者の思いや意見を尊重し、各種施策やまちづくりに適切に反映されるよう、全職員向けの研修を実施するとともに、こども・若者の意見を聴取するワークショップを開催します。

 令和5年度のはつかいち子ども議会で提案のあった「児童養護施設退所後の支援」を実現するため、市内児童養護施設の退所者が自立に向けたサポートを受けながら、安心して過ごせる環境整備に対して補助を行います。

 近年の猛暑により、小・中学校における屋外の体育授業や部活動が制限されるなど、学校生活に影響を及ぼしました。そのため、学校の教育環境及び災害時の避難所における生活環境の充実を図ることを目的として、小・中学校の屋内運動場に空調設備を段階的に整備するための実施設計及び設置工事を順次実施します。なお、この取組についても、令和6年度のはつかいち子ども議会で提案のあったものです。

 不登校児童生徒の居場所づくりと学習機会の確保のため、引き続き、子どもつながり支援員の配置や子ども相談室の運営を行うとともに、新たに「心の健康観察アプリ」を導入して児童生徒の心の変化を把握することで、不登校やいじめの未然防止と早期対応に努めます。

 生徒がスポーツ・文化芸術に継続して親しむことが出来るよう、「部活動の地域展開」を進めます。

《分野2 健康・福祉》

 分野2「健康・福祉」です。

 本市に住む全ての人が健やかでいきいきと生活できるまちをつくるため、JA広島総合病院による障がい者歯科の開設を支援し、障がいのある人が地域で専門的な歯科診療が受けられるよう、医療体制と福祉の充実を図ります。

 また、令和8年度から定期接種となる、妊婦を対象としたRSウイルスワクチンへの対応など、制度の改正に合わせ、市民が安心して予防接種を受けられる体制を維持します。

 65歳以上を対象とするボランティア活動でポイントをためる「はつポ」のポイント付与の対象をウオーキングや脳トレなど、自らの介護予防活動等への参加や健康づくり活動にも拡大し、高齢者の健康増進や社会参加を促進します。また、「共生社会の実現」のため「新しい認知症観」の普及を図るとともに認知症の人やその家族に対する支援体制の構築に取り組みます。

 介護・障害福祉分野の人材確保のための資格取得支援を行うほか、介護人材が特に不足している吉和・宮島地域に所在する介護サービス事業所等に対して、介護職場定着を目的とした支援を行います。

《分野3 安全・安心》

 分野3「安全・安心」です。

 「広島県地震被害想定」の見直しを踏まえ、地震や津波の災害リスクを掲載した「地震・津波ハザードマップ」を作成します。

 災害時に一人で避難することが困難な避難行動要支援者について、令和7年度の一斉調査結果に基づき、支援者の有無や個別避難計画の作成状況などを把握し、地域の自主防災組織等と共有することで、関係者間の連携を強化し、実効性のある避難支援体制の整備に取り組みます。

 河川の浚渫や公共下水道の整備による浸水対策、耐震改修の促進、急傾斜地崩壊対策などの防災・減災対策、公共インフラの計画的な維持管理・修繕、長寿命化を推進します。

 林野火災予防の実効性を高めるため、昨年の12月議会において廿日市市火災予防条例を一部改正し、今年3月から「林野火災注意報・林野火災警報」の運用等を開始します。

《分野4 産業》

 分野4「産業」です。

 市内の産業経済団体や労働局と連携し、事業者の生産性向上や人手不足の解消、経営相談や各種補助金情報の案内など、様々な課題に対応できる相談支援や体制の充実を図ります。

 学生の市内企業認知度の向上と市内企業への就職促進のため、産業まちづくり委員会と連携し、大学のキャリアセンター担当者等を対象とした企業見学ツアーを実施します。また、市内事業者への外国人材の受入支援に向けて、関係団体と連携体制の構築に向けた検討を進めます。

 世界遺産登録30周年事業として、国内はもとより、観光友好都市提携を締結しているフランスのモン・サン=ミッシェル市などでの観光プロモーションや、地域や関係団体、民間事業者等を巻き込んだ記念事業の開催などにより、改めて宮島の持つ価値や魅力を認識していただくため、国内外に発信する取組を行います。また、姉妹都市であるアメリカ合衆国ハワイ州ハワイ郡を訪問し、経済面での交流促進を図っていきます。

 持続可能な観光地域づくりの中核として、4月から本格稼働する「はつかいち版DMO」において、多様な関係者と連携しながら、地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った、戦略的な取組を展開していきます。

 観光客へのおもてなし向上を図るため、宮島おもてなしトイレの改修工事を行います。また、観光客の熱中症対策として、宮島口旅客ターミナル及び宮島桟橋旅客ターミナルにスポットクーラーを設置します。

 地産地消の更なる取組として、地元産品のブランド化と中間流通の仕組みの構築に向けた取組を推進します。

 農業の担い手確保のため、新規就農希望者への相談対応や、認定農業者に対する経営拡大・計画改善への支援を充実させます。

 農業水利施設の機能の維持・発揮を図るため、佐伯地域の中央水路及び永原上中組堰導水路の頭首工の整備を進めます。

 有害鳥獣被害への新たな対策として、柿の木などの未利用果樹の伐採を行います。また、引き続き、ICTカメラによる有害鳥獣の監視を実施します。

 市有林だけでなく民間所有の山林も含めて森林の多面的機能が持続されるよう、経営管理権集積計画の策定に取り組むとともに、森林資源の循環利用や林道の整備・維持補修を通じた適切な森林管理を図ります。

 昨年発生した養殖かきの大量へい死を受け、養殖漁場の環境改善に向けた調査を実施します。

《分野5 生涯学習・スポーツ・文化》

 分野5「生涯学習・スポーツ・文化」です。

 生涯学習ビジョンに基づき、誰もが学びやすい環境づくりや学びを活動に生かす機会の充実などに取り組み、学びを通じた「人づくり」、「つながりづくり」、「地域づくり」を進めます。

 こどもたちの競技スポーツへの関心を高め、将来にわたってスポーツを継続していく意欲の向上を図るため、トップアスリートと触れ合うことのできるスポーツ教室を開催します。

 女子野球を女性活躍の象徴として推進するため、女子野球タウンとしての認知度向上に、引き続き取り組むとともに、女子野球の裾野拡大や活動支援などの施策を展開します。

 スポーツを通じた多様性を認め合う共生社会の実現のため、パラスポーツイベントの開催や障がいのある方を対象としたスポーツ体験会を実施するとともに、昨年のはつかいち子ども議会で提案のあった、グローバルリゾート総合スポーツセンターサンチェリーの屋根付きの障がい者用駐車場を整備します。また、スポーツによるまちづくりを推進するための施策を示した次期スポーツ推進計画を策定します。

 本市の特色を生かした文化芸術施策を組織横断的に推進していくため、今後の文化芸術の方向性を示す指針(仮称)文化芸術振興計画の策定に取り組みます。

《分野6 都市基盤》

 分野6「都市基盤」です。

 広島港西部の慢性的な交通渋滞による物流機能低下の解消や、周辺地域の連携強化を目的に、広島県において平成28年度から事業着手していた臨港道路廿日市草津線(広島はつかいち大橋)の4車線化(2期区間)が完了し、今年3月29日に供用が開始されます。

 安全かつ利便性の高い道路ネットワークを構築するため、国道2号広島南道路、国道2号廿日市大野防災、国道488号、県道虫(むし)道(どう)廿日市線、県道廿日市環状線などの幹線道路の整備促進を図るほか、熊ヶ浦鯛ノ原線、グランド線、堂垣内広池山線、鳴川3号線、山陽道側道8号線などの補助幹線道路等の整備を推進します。

 良好な市街地の形成、安全・快適な都市生活を実現するため、都市の骨格となる都市計画道路畑口寺田線、筏津郷線、地御前串戸線の整備を推進します。

 宮島口地区の魅力あるまちづくりを推進するため、赤崎3号線などのハード整備や、景観形成、エリアマネジメントの促進、渋滞対策などのソフト施策を進めていきます。

 地域医療拠点であるJA広島総合病院前国道2号沿道について、誰もが安全かつ快適に通行できるよう、歩行者空間の整備を進めます。

 地域の憩いの場としての利用に加え、災害時の一時的な避難にも活用できる防災機能を有した阿品二丁目地区内の公園整備を推進します。

 誰もが利用しやすい持続可能な地域公共交通ネットワークを構築するため、次期廿日市市地域公共交通計画の策定に着手します。また、バス利用者の利便性向上を目的に、同一地域を運行する市自主運行バスと広電バスの運賃均一化を図り、利用しやすく分かりやすい運賃体系の構築に取り組みます。

 空き家対策として、老朽危険空き家除却支援事業補助金制度を一部見直し、自主的な解体の促進を図ります。また、空家等管理活用支援法人による空き家バンクの運営により、中山間地域の空き家の更なる利活用の促進を図ります。

《分野7 環境》

 分野7「環境」です。

 自然と共に歩んできた地域産業の衰退や中山間地域を中心とした人口減少により、人と自然の関わりが薄れ、生物多様性の保全が困難になっています。ネイチャーポジティブの実現に向けて、こうしたつながりを再生し、持続可能な地域づくりを進めることを視野に入れた、生物多様性地域戦略を策定します。

 電力の地産地消を推進するため、廿日市さくら電力による公共施設への電力供給を開始するとともに、その収益を地域脱炭素や本戦略に基づく生物多様性の保全へと還元する仕組みを検討します。

 地球温暖化対策の取組として、地域資源を活用した再生可能エネルギーへの理解促進のため、ワークショップ等の環境学習を実施するとともに、再生可能エネルギー導入の更なる促進のため、太陽光発電設備導入促進補助金の対象にソーラーカーポートを追加します。また、庁用車の電動車化を進めます。さらに、再生可能エネルギー発電事業と地域との調和を図ることを目的とした条例を本議会に提案しています。

 エコセンターはつかいち内にプラスチック使用製品廃棄物のストックヤードを整備するため、旧廿日市市清掃センターの解体工事に着手します。また、生活排水の効率的な処理とコスト削減を図るため、老朽化している廿日市衛生センターの機能を廿日市浄化センターに集約し、し尿などの受入施設の整備に着手します。

《分野8 地域づくり・人権・多文化共生》

 分野8「地域づくり・人権・多文化共生」です。

 令和8年度からスタートする「第4期協働によるまちづくり推進計画」に基づき、引き続き、協働によるまちづくりを推進します。

 地域自治組織を中心として、地区の特性に応じた持続的なまちづくりの推進に向け、幅広い世代のまちづくり活動への参画、多様な主体がつながり互いの資源を生かしながらまちづくりに取り組めるよう、地区の実情に応じた伴走支援を行います。

 地域課題の解決や生涯学習を推進するため、市民センター基本方針に基づいた市民センター事業を行います。

 性別、年齢、障がいの有無、国籍など、互いの違いを尊重し合う意識を醸成するための啓発活動を行います。また、令和8年度からスタートする「一人ひとりが輝く生き方応援プランはつかいち(第3次廿日市市男女共同参画プラン)」に基づき、固定的な性別役割分担意識を払拭し、男女共同参画の意識を高めるための啓発活動等を行います。

 外国人住民に対して、引き続き、生活に関する情報提供や相談対応を行うほか、地域日本語教室を開催します。

 姉妹都市であるアメリカ合衆国ハワイ州ハワイ郡やニュージーランド・マスタートンとの交流を深めます。

 ハワイ郡については、5月にハワイ州ホノルル市で開催される姉妹都市サミットに参加するなど、連携を強化するとともに、マスタートンに派遣した青少年を中心メンバーとした「経験者の会」の活動を支援し、姉妹都市との交流促進を図ります。

 平和への取組として、被爆の実相を風化させず、児童生徒の平和への意識を高めていくため、被爆地広島で開催される「ヒロシマ平和学習受入プログラム」に、廿日市市立小中学校の児童生徒の代表を派遣します。

6 予算編成について

 以上、述べました方針と、戦略的な取組への配分を考慮しながら予算編成した結果、令和8年度一般会計当初予算案の総額は、672億5,000万円、また、特別会計の当初予算案の総額は、8会計で、279億4,814万円、企業会計の当初予算案の総額は、2会計で、106億525万7千円となりました。

7 終わりに

 以上、令和8年度の市政運営における基本的な考えについて述べさせていただきました。

 令和8年度は、「はつかいち未来ビジョン2035」が本格的に始動する、将来に向けた市政運営の重要な出発点となります。このビジョンに掲げる理念と目標の達成に向け、各施策を着実に推進し、その成果を市民の皆様が日々の暮らしの中で実感できるものとしていくことが、私たちに課せられた責務であると考えています。

 人口減少や社会構造の変化など、先行きの見通しが難しい時代にあってこそ、行政には、状況を的確に見極める判断力と、課題に正面から向き合う実行力が求められます。将来世代への責任を常に意識し、必要な行政経営改革に取り組み、持続可能な市政運営を進めてまいります。

 現在、廿日市市は、大きく進化しようとしています。その礎を築いていただいた先人に深く感謝するとともに、次世代に豊かな廿日市市を継承するために、私自身が先頭に立って全力で市政運営に臨む決意です。

 終わりに、市政の遂行に当たり、市議会議員各位並びに市民の皆様の格別なる御理解と御協力を賜りますようお願いし、施政方針とします。

 

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