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議会広報「さくら」64号 特集
厚生連JA広島総合病院 & 市議会
「厚生連JA広島総合病院(以下JA広島総合病院)」は、市が進める4大プロジェクトの一つ“地域医療拠点等整備事業”において、急性期をはじめとする医療を提供し、その中心的役割を担う拠点病院です。今回は、JA広島総合病院をお訪ねし、プロジェクトへの期待や地域医療にかける思いなどを伺いました。
地域に愛され 必要とされる病院に
県西部の拠点病院として、地域医療の現状をどのように考えていますか
- JA広島総合病院(以下、当病院)は、県西部圏域(廿日市市、大竹市、広島市佐伯区)の30万人の命と健康を守る位置づけにありますが、救急医療とがん治療などの先進医療に特化しています。県西部圏域で急性期医療を実施しているのはここだけで、高齢化で患者数も増加してくるため、その方たちの急性期の医療を当病院が担わなければ成り立たないと考えています。
※急性期・・・病気になりはじめた時期のこと。症状に応じて検査や処置が必要となり手術を行うこともある。これらの対応を24時間体制で行う病院を「急性期病院」と呼ぶ。
地域医療拠点等整備事業における将来ビジョンをお聞かせください
- 西医療圏最大の急性期病院と自認しておリ、今後その役割はさらに増すと感じています。
- 今後の病院整備の中では、医療行為に必要な電源や水の確保は最重要課題であるため、大規模災害時を想定した設計等を考えています。
- 廿日市市は海から山までと広大なため、市の協力でドクターヘリに対応できるヘリポートも整備する予定です。
休日・夜間急患診療所の機能が継承されますが、調整などでご苦労された点は
- 当病院内に移転することは合理的でしたが、そのままでは保健所の許可を得ることができないため、他自治体の成功事例等を参考に、医師の位置づけの工夫や財政的な検討も行いました。
- 収支もガラス張りにするように考えています。場所は当病院が提供しますが、医師の派遣は医師会が行い、重症の場合は我々が診るといったように役割分担も明確にします。
小児救急に対する考えをお聞かせください
- 当病院の小児科医は4人(それでも多いほう)なので、休日・夜間の小児救急体制を組むのは困難です。舟入病院との距離の関係もありますが、行政・医師会と検討しなければならない課題だと考えています。
地域交流を積極的に行っていらっしゃいますね
- 病院には、病気にならないとなかなか来ませんよね。地域に愛され必要とされる病院を目指すためには、医師と患者の関係だけではない地域交流が欠かせません。市民交流事業として、市民公開講座も定期的に行っていますし、各部門のスタッフがアイデアを絞ったポスター展は、病院に興味を持ってもらうきっかけづくりに役立っています。市長や市議会議長にも審査をお願いしました。
医師と看護師とのチームワークが素晴らしいと聞いたのですが
- そこは当病院の自慢でもあり、抜群のチームワークが取れていると自負しています。それができないと、患者さんのいのちを守ることはできません。
議会広報さくらは読んでいますか
- 医療関係の記事はチェックしていますし、医療関係の議案があった時は傍聴にも行きました。
廿日市市に期待することはありますか
- 今から病院の建設に入りますので、しっかりサポートをお願いします。
- 病院経営には人口との相関関係があるため、人口が減少すると必要性も低下します。子育て支援に力を入れることで、若い人が集まってくるのでは。病院も医療面でサポートしていくので、行政と手を取り合って活性化できるといいですね。
お忙しい中、ご協力ありがとうございました。