Trip01嚴島神社ゆかりの4社寺めぐり
世界遺産・嚴島神社がある宮島は、年間400万人以上が訪れる広島県を代表する観光スポットですが、宮島と同じ廿日市市内に、嚴島神社と関わりが深い社寺が点在していることは、意外と知られていません。ここでは嚴島神社参拝の体験をより深いものにしてくれる、ゆかりの4社寺を紹介します。
嚴島神社に外宮があるって知っていましたか?
広島電鉄地御前駅から南へ徒歩8分。海辺に立つ地御前神社(じごぜんじんじゃ)は、嚴島神社の外宮(げくう)と呼ばれる古社です。伊勢神宮のほかに外宮と呼ばれる神社があることはあまり知られていませんが、地御前神社は創建も嚴島神社と同じ推古天皇元年(593)とされ、祭神も嚴島三女神を祀っており、現在嚴島神社の摂社となっています。
宮島は、人の住むことが許されない神の島でした。神が宿る島全体を御神体と考え、宮島を拝する場所を対岸に造ったのが地御前神社の始まりといわれています。現在も地御前神社の目の前の海岸から、正面に宮島を望むことができます。
かつて19もの殿舎があったという地御前神社ですが、現在は本殿と拝殿を残すのみ。社殿のすぐ前に迫っていたという海とも、線路と道路に隔てられましたが、それでも拝殿から海岸線までは直線距離でわずか50メートルほどです。その海岸が、嚴島神社最大の神事である「管絃祭」の舞台になります。地御前神社は現在も嚴島神社と深いつながりがあり、外宮としての役割を果たしているのです。
- 地御前神社(じごぜんじんじゃ)
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境内から滝も! 嚴島神社の摂社であった古社
静かな山間に立つ大頭神社(おおがしらじんじゃ)は、嚴島神社の摂社として推古天皇11年(603)に創祀されたと伝わる古社で、嚴島兼帯七社の一つであったとの記録も残されています。また、大山祇命(おおやまつみのみこと)、国常立命(くにのとこたちのみこと)とともに、祭神として嚴島神社初代神主の佐伯鞍職(さえきのくらもと)を合祀することでも、嚴島神社との深い関わりをうかがい知ることができます。
現在の場所には大正2年(1913)に遷座。本殿、幣殿、拝殿が一体になった複合社殿で、地形の高低差を巧みに利用した重層(2階建て)建築は、ほかにあまり例を見ない建築様式です。
宮島口から車で15分程度の立地にもかかわらず、周囲を山々に囲まれ、自然が美しい大頭神社。境内のすぐ近くには、妹背の滝(いもせのたき)があります。妹背の滝は、雄滝と雌滝の2つの滝の総称で、大頭神社はこの2つの滝の流れが合流する場所にあることから、縁結びのご利益があるともいわれています。
- 大頭神社(おおがしらじんじゃ)
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神主家と深い関わりの 戦国ロマンあふれる古刹
洞雲寺(とううんじ)は長享元年(1487)に、当時嚴島神社の神主であると同時に桜尾城の城主でもあった藤原教親(のりちか)によって開かれた禅寺で、嚴島神社神主家と関わりが深い寺院です。
本尊の釈迦如来が祀られる本堂の脇に、嚴島明神の啓示によって得たといわれる金岡水(こんこうすい)が湧いています。この水の名前の由来となった金岡禅師は洞雲寺最初の僧侶で、名僧として全国に名をとどろかせた人物です。禅師の存在が洞雲寺の知名度を上げ、この寺で学ぶために全国から多くの僧侶が集まり、寺の発展繁栄に大きく寄与したといわれています。
境内に名だたる戦国武将の墓があることでも知られています。その代表的なものが嚴島神社の神主で、桜尾城主でもあった友田興藤(ともだおきふじ)のものです。ほかにも厳島合戦で敗れた陶晴賢(すえはるかた)の墓や、桜尾城主で毛利元就の四男・穂井田元清(ほいだもときよ)夫妻の墓などが、いずれも宝篋印塔(ほうきょういんとう)の形で残っています。これらは市の重要文化財に指定されている歴史的にも意味深いものです。
由緒ある禅寺の静かな境内に立って、遠く戦国時代に思いを馳せてみるのもいいかもしれません。
- 洞雲寺(とううんじ)
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思わず感動の声が! 境内からの瀬戸内ビュー
極楽寺(ごくらくじ)は標高693メートルの極楽寺山の頂上付近に立つ古刹で、嚴島神社の神主家であった藤原家などの庇護を受けて発展してきたとされる高野山真言宗の寺院です。境内にある展望台からは、宮島はもちろん、遠く瀬戸内海の島々も一望できます。
嚴島神社の奥宮である御山神社から、嚴島神社、そして外宮の地御前神社を一直線に結んだその延長上に、極楽寺は位置しています。そこにどんな意味があるのかは、はっきりわかっていませんが、嚴島神社とのどこかミステリアスな関わりを感じさせてくれます。
毛利元就によって再興された県重要文化財の本堂を中心に、みどころも豊富な極楽寺境内。阿弥陀堂には、木像では国内最大級である阿弥陀如来大仏が鎮座しており、迫力満点です。本堂から少し離れた北側の敷地には奥の院があり、その横には「願い事をひとつだけ叶えてくれる」といわれる一願堂もあります。
また、中国自然遊歩道として整備されている参道周辺の自然景観も必見です。周囲には樹齢500年以上のモミの原生林が生い茂り、まさに霊山の様相を呈しています。
- 極楽寺(ごくらくじ)
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