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伝統的工芸品 宮島細工

ページID:0134238掲載日:2025年12月25日更新印刷ページ表示

 

伝統的工芸品 宮島細工

 宮島細工

 

 宮島細工とは、宮島でつくられる木工芸品の総称であり、「宮島杓子」「ろくろ細工(挽物)」「宮島彫」などが代表的です。

 その起源は江戸時代の終わり頃にさかのぼります。宮島の木工技術は、厳島神社をはじめとする寺社の建設の際に、鎌倉や京都から招かれた宮大工や指物師の技術を受け継いだものでもあります。

 宮大工や指物師の技術に由来し、もたらされたロクロ技術、彫刻技術によって、その技は芸術の域まで高められました。

 さらに、豊かな森林資源と木材集積地・廿日市に近い立地も、宮島細工の発展を支える要因となりました。

 藩の許可を得て山の木を伐る「山子(やまこ)」と呼ばれる人々が木を切り出し、職人たちはその木材で杓子や盆などを制作して、参詣客の土産物として販売しました。

 こうして「木」「職人」「参詣客」が結びついた宮島ならではの木工文化が形づくられたのです。

 やがて優れた芸術性を持つ工芸品へと進化した宮島細工は、1982年に伝統的工芸品として国に認定されました。

 

杓子

しゃくしのしゃしん  しゃくしをさくせいしているしゃしん

 

 宮島杓子の創始者は、江戸時代後期(1800年頃)、宮島に移り住んだ、修業僧 誓真(せいしん)とされています。

 島民が生計を立てるための産業がなく、厳島神社の参拝者向けの土産物として販売するため、杓子を考案したと言われています。

 「厳島弁財天」の持物である琵琶の形に似た「宮島杓子」として縁起も結びつき、宮島の特産品として製造販売が始まりました。

 明治中期には、日用品としての需要が高まり、関西方面への販路の拡大がはかられることで宮島の杓子生産が本格的に行われ、「宮島杓子」は全国にその名が知られるようになりました。

 

宮島彫

実際の宮島彫作品の写真 宮島彫作成中の写真

 

 宮島彫は、江戸時代後期に甲州(現・山梨県)出身の彫刻・篆刻師、波木井昇斎(はぎい しょうさい)によって宮島にもたらされたと伝えられています。

 宮島彫は木材の素地を行かした彫刻で、栃や欅、桜などが多く用いられ、宮島ろくろで作られた盆や菓子器、指物などに施されることで、美術的価値を一層高めています。

 彫刻されるモチーフは、厳島神社の風景や花鳥など、多くが土産物としての需用であったため、厳島神社の風景や鹿、花鳥などが多く好まれています。

 主な技法は、観賞用の額などに用いられる立体的に周りを刻む「浮き彫り」と、盆などの実用品に段差が出ないよう木地面に彫り込む「しずめ彫り」、

 自由な線で刻む「筋彫り」の3つの技法があり、作品によってこれらを組み合わせながら制作されています。

 

宮島ロクロ  

実際のロクロ作品の写真  ロクロ作成中の写真

 宮島にロクロの技術がもたらされたのは江戸時代後期(1850年頃)。

 小田権六(おだ ごんろく)が2人がかりで挽くろくろを用い、盆や菓子器、菓子鉢、茶入などの制作を始めました。

 明治時代中頃には、手回しから足踏みろくろに改良され、一人で大きな盆なども制作できるようになりました。

 昭和初期頃には宮島ろくろが電動化され、機械技術が向上し、より精度の高い挽物づくりが可能になりました。宮島ロクロの特徴は、木の持つ木目、色合い、質感を生かした自然な仕上がりにあります。

 肥松、栃、桜、欅など、それぞれの素材の特性に合わせて、長い年月をかけて乾燥させ、高度な技術で挽くろくろと積み重ねられた知識によって、自然な風合いを生み出していきます。

 

伝統工芸士

 伝統工芸士は、経済産業大臣指定伝統的工芸品の伝統的技術・技法を有している方の称号です。

 一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会が認定を行っており、現在、全国で約3,300名の伝統工芸士が活躍されています。

 伝統的工芸品の製造に従事する作り手のうち、1割ほどの限られた存在である伝統工芸士は、まさに職人の中の職人です。

 伝統工芸士の認定は、1975(昭和50)年に始まりました。「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」の改正などにより制度改訂が行われ現在に至っています。

 伝統工芸士には、伝統的技術・技法に熟練した優秀な職人というだけでなく、後継者の育成、産地振興の中心となる産地のリーダーとしての役割が期待されています。

 伝統工芸士に認定されるためには、伝統的工芸品の製造地域における製造実務経験を満12年以上積んだ上で、実技試験・知識試験・面接試験に合格することが必要です。

 また、認定後も5年毎に技量などの確認を行っており、伝統工芸士として相応しいと認められている方が、引き続き登録されています。

 

 引用元 一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会伝統工芸士に関して<外部リンク>

現在認定されている伝統工芸士

 【総合部門】

  藤本  悟(認定日 平成6年2月25日)

  藤澤 敏郎(認定日 令和6年2月25日)

 

 【彫刻部門】

  永谷 早登 (認定日 令和6年2月25日)

  大野  浩 (認定日 令和6年2月25日)

  沖田  要 (認定日 令和6年2月25日)