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動物由来感染症

印刷用ページを表示する掲載日:2016年4月1日更新

カメを触ったことを原因とするサルモネラ症の集団発生

 乳児を含む子どもがカメに触ったことを原因とするサルモネラ症の集団発生が、米国内で広域的に繰り返し発生していると、世界保健機関(WHO)から発表がありました。

 カメなどのハ虫類は、国内外を問わず、多くのもの(50~90パーセント)がサルモネラ属菌を保有しており、人がこれらの動物との接触を通じてサルモネラに感染すると、胃腸炎症状を起こしたり、まれに菌血症や髄膜炎などの重篤な症状を引き起こす場合があることが知られています。

 サルモネラ症は、特に新生児や乳児、高齢者など、免疫機能の低い人では重症化しやすいため、家庭での飼育などでの注意が必要で、ミドリガメなどのハ虫類に触れたあとは必ず十分な手洗いをしましょう。

 以下は、カメや爬虫類からの感染症など、動物からの感染症に関して掲載しています。
 詳しい予防方法や感染経路などの説明がありますので参照してください。

ミドリガメなどのハ虫類の取り扱いQ&A

 厚生労働省は、日本で平成17年に発生した、ミドリガメを原因とする小児における重症なサルモネラ症事例を踏まえ、ミドリガメをはじめとするハ虫類の衛生的な取り扱いなどに関するQ&Aを作成しました。

サルモネラ症

我が国におけるハ虫類を感染源とするサルモネラ症の事例
血清型原因爬虫類患者の年齢性別症状発生年発生場所
S.Poonaケヅメリクガメ7カ月男児

急性胃腸炎敗血症

2006新潟県
S.Schleissheimミドリガメ6歳男児下痢・嘔吐・発熱2005長崎県
S.Braenderupミドリガメ1歳3カ月女児髄膜炎2005千葉県
S.Paratyphi Bミドリガメ6歳2カ月女児

急性胃腸炎

敗血症

2005千葉県
S.IV(45:g,z51:-)イグアナ生後27日男児腸炎2004千葉県
S.Saintpaulカメ

2カ月

男児

胃腸炎2004秋田県
3歳女児
Salmonella(O4)ミドリガメ62歳女性敗血性ショック2003宮城県

(東京農工大学 林谷秀樹准教授調べより抜粋。出典:雑誌「小児科」2013年1月号)

Q1.サルモネラ症とはどのような病気ですか?

 サルモネラを原因菌とする感染症で、通常、サルモネラに汚染された食品を食べることにより胃腸炎症状の食中毒を引き起こします。
 また、ハ虫類などの動物との接触を通じて感染し発症する場合があります。

Q2.ハ虫類を原因とするサルモネラ症は、どのくらい発生していますか?

 日本では、ハ虫類が原因と判明したサルモネラ症の事例がほぼ毎年発生しています。カメ類を感染源とするものがほとんどであり、いずれも子どもまたは高齢者が感染しています。
 また、海外においては、カメ、イグアナ、ヘビを原因として、多数の感染事例が報告されており、胃腸炎症状に限らず、菌血症、敗血症、髄膜炎、これらに伴う死亡事例があります。

Q3.ミドリガメなどのハ虫類は、どのくらいサルモネラを持っていますか?

 国内外の文献によると、カメなどのハ虫類の糞便中のサルモネラを検査したところ、保菌率が50~90パーセントであったと報告されています。

サルモネラのハ虫類からヒトへの感染経路や症状、感染した場合の治療

Q4.ヒトへはどのようにして感染しますか?

 飼育中のハ虫類を触ったまたは飼育箱を洗浄した手指などにサルモネラが付着し、これが口に入ることにより感染します。特に子どもは無意識に手を口に持って行くことが多いので注意が必要です。

Q5.どのような症状が出ますか?

 サルモネラによる症状は多岐にわたりますが、通常見られるのは急性胃腸炎です。
 通常は8~48時間の潜伏期間を経て発症します。
 また、まれに、小児では意識障害、けいれんおよび菌血症、高齢者では急性脱水症状および菌血症により重症化します。

Q6.治療方法はありますか?

 胃腸炎症状の場合、安易に下痢止めなどの市販薬を使用することは避け、医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
 また、医師に対して、ハ虫類に接触したことまたは飼育していることを告げてください。
 医療機関では、特に症状が重い場合には抗菌薬(ニューキノロン系あるいは第3世代セファロスポリン系薬)による除菌がなされます。

ミドリガメなどのハ虫類の取り扱い方法

Q7.ハ虫類を購入する際はどのようなことに注意したらよいですか?

 ミドリガメをはじめとするハ虫類は、サルモネラに感染していても症状を示さないために外見上は感染の有無が分かりません。
 子どもや高齢者、免疫機能が低下した人がいる家庭などでは、ハ虫類を飼育するのは控えるべきです。購入する場合は、ハ虫類の多くはサルモネラを保有していることを念頭に、特に感染する危険性の高い人がいる家庭などでは、飼育方法を十分検討してください。
  なお、米国では、サルモネラによる感染症を防止するため、1975年から4インチ(約10センチメートル)以下のミドリガメを含むカメの販売は禁止されています。

Q8.ミドリガメなどのハ虫類はどのくらい輸入されていますか?

 ペットショップなどで販売されているミドリガメなどのハ虫類の多くは、海外から輸入されたものです。
 我が国では毎年30万頭程度のハ虫類が輸入されており、輸入されるカメの多くは米国産となっています。

Q9.飼育時の注意事項はありますか?

 カメなどのハ虫類の多くはサルモネラに感染しており、サルモネラを含む糞便を排泄していることから、飼育水などには多量のサルモネラが存在する可能性があります。
 これらは人のサルモネラ症の感染源となりますので、飼育水を交換する場合は、食品や食器を扱う流し台などを避け、排水により周囲が汚染されないよう注意することが必要です。
 また、飼育中のハ虫類を飼育槽から出して自由に徘徊させたり、台所などの食品を扱う場所に近づけたりしないように注意することも重要です。

Q10.ハ虫類を触った後はどうしたらよいですか?

 カメなどのハ虫類をはじめ、動物を触った後には必ず手指を石けんを用い十分に洗浄してください。

Q11.飼育しているミドリガメからサルモネラを除菌することはできないのですか?

 サルモネラに感染したカメに抗生物質を投与して除菌を試みた実験によると、一時的にサルモネラの排出が停止したかのように見えても完全にはカメの体内から除菌することができなかったと報告されています。
 カメからサルモネラを除菌することはできないので動物の飼育環境を衛生的に保つことを心がけてください。

Q12.病気が怖いので、飼育しているハ虫類を逃がしたいです。

 生き物を飼い始めた場合、最後まで飼い続ける責任を持たなければなりません。
 どうしてもできない場合は、責任を持って、きちんと飼える人へ譲渡してください。
 場合によっては安楽殺処分しなければならないことも考慮すべきです。
 このような事態に陥らないためにも、動物を飼い始めるときはその動物の寿命、成長した時の大きさ、性格や生態、人に感染する病気の種類とその予防方法などを十分調べた上で判断してください。
 なお、ハ虫類の中には外来生物法や動物愛護管理法によって、飼養することや放すことなどに対して規制がある特定外来生物や特定動物に該当するものがあります。
 これらを飼養する場合は、環境省や地方公共団体の許可を受ける必要があります。

 詳しくは、環境省のホームページ(外部リンク)をご覧ください。

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