市議会だより「さくら」第50号 クローズアップ
議題からクローズアップ 1
28年度一般会計補正予算(第2号)
地域拠点施設整備事業(旧宮島支所跡地)・大野学校給食センター整備事業
両施設の債務負担行為補正を削除する修正案は、賛成少数により否決
28年度一般会計補正予算(第2号)において、旧宮島支所跡地における地域拠点整備と大野学校給食センター整備事業の債務負担行為補正が追加されました。
市民生活に密着した大型の施設整備事業であり、慎重な審査を行いました。
それぞれの事業概要は次のとおりです。
地域拠点施設整備事業(旧宮島支所跡地)
補正予算額
・解体作業用地購入費など 3023万4千円
債務負担行為補正
【28年度から32年度まで、5年間の経費】
・工事設計施工管理業務委託料 1650万円
・整備に要する経費 23億1850万円
●事業方式
DB方式(旧施設解体、斜面安定化、新築工事の基本設計から設計・施工まで一括発注)により行う。
※DB方式とは、デザイン・ビルド方式の略。設計・施工を一括発注する方式のため、新技術を活かした設計やコスト削減が可能。
●施設の概要
構造は、鉄筋コンクリート造(地上2階・地下1階)で、建築制限により高さは13m未満となります。
計画床面積は1800平方メートルで、2階にコンベンション機能(大ホール、ステージ)を備え、1階は市民センター機能(生涯学習のための集会室、調理室、和室)を整備します。また、避難施設機能(住民および観光客の避難スペース、備蓄倉庫など)や観光振興機能(観光客のためのトイレ、展望室、展示スペース)を備えることで多目的で活用できます。
議員からの質疑
質問 突然の予算化だが、説明不足ではないか。また、整備方針決定の協議は十分したのか。
答弁 これまでも、公共施設再配置計画など全員協議会でも説明してきた。整備手法の決定は、内部で十分な検討の結果である。
質問 地域が求める施設機能となっているのか。
答弁 24年から3年間、地元ワーキングを実施し、機能を絞り込んだ。本年5月に関係者への説明会を開き、了解いただいている。
大野学校給食センター整備事業
債務負担行為補正
【28年度から45年度まで、18年間の経費】
・整備および管理運営に要する経費 29億7793万5千円
●事業方式
DBO方式により行うが、献立作成や食材調達など、食に関する指導は市が行う。
※DBO方式とは、デザイン・ビルド・オペレーション方式の略。公共が資金を調達し、設計・建設、運営を民間に委託する方式で、運営を含めた一体的な整備が可能となる。
●施設の概要
・大野筏津地区(大野図書館近く)に整備し、1日2500食の調理が可能。
・提供は、大野学園、大野東小・中学校に行う。
・除去食対応を想定した専用調理室を設置し、災害時に対応できる移動式回転釜を設置する。
事業期間および事業費用(予定)
設計・建設工事 | 平成29年1月から平成30年7月(1年8か月) 10億8226万6千円 |
運営・維持管理 | 平成30年8月から平成45年7月(15年) 18億9566万9千円(15年総額) 1億2637万8千円(1年間当たり) |
平成30年9月(夏休み明け)から供用開始予定 米飯は外部へ発注 |
議員からの質疑
質問 市の栄養士が委託先の調理員に直接指示を出したりした場合、偽装請負の懸念があるが大丈夫か。
答弁 廿日市学校給食センターでは、運営業者の業務と衛生管理責任者と定期的に話し合い、詳細な調理指示書に基づく 調理を行うなど実績を積み重ねている。
質問 おいしい給食の観点が抜けているのでは。
答弁 個々の味覚の違いなど定義は難しいが、おいしい給食提供は心掛けている。
修正案は否決
予算特別委員会では、これらの債務負担行為を全額削除する修正案が議員から出されましたが、賛成少数により否決しました。
修正案への討論
修正案に賛成
・地域拠点施設整備(旧宮島支所跡地)に関しては、説明が5月26日の議員全員協議会での1回だけであり、審議が不十分である。
・大野学校給食センターの管理運営に関しては、児童生徒の健全育成に直結する施設であり、直営方式とすべきだ。
修正案に反対
・旧宮島支所は耐震性が低く、地震による倒壊の危険がある。地元からも早期の解体・整備が求められている。
・大野学校給食センターは、DBO方式により効率的な施設整備と運営ができると見込まれ、食育の充実や地産地消の拡大が図れると期待。
議題からクローズアップ 2
一般廃棄物処理場の請負締結に関して
~建設・運営費は予定より安価に~
施設の種類 | 一般廃棄物処理施設 |
建設地 | 廿日市市木材港地内(現廿日市衛生センター敷地内) |
施設概要 | 処理対象物を受け入れ、焼却処理を行い、処理過程で発生する熱エネルギーの有効活用を図る施設 |
処理方式および 施設規模など |
【エネルギー回収型廃棄物処理施設】 全連続燃焼式流動床炉 150t/日(75t/24h×2炉) 【粗大ごみ処理施設】 10t/日(10t/5h) |
供用開始 | 平成31年4月1日(予定) |
請負事業者
(株)神鋼環境ソリューション
請負金額(落札率)
建設事業費 110億914万5千円(75.9パーセント)
運営事業費(20年間) 85億7655万8千円(72.7パーセント)
事業方式
DBO方式で行う。
議員からの質疑
質問 入札評価の技術点で差がないが、それ以外で評価したものは何か。
答弁 環境性能や経済性で優れていると判断した。
質問 施設内に環境学習や見学コースを備えているのか。
答弁 施設内には研修室や見学コースを備えており、外の景色も見ることができる。
質問 技術評価点の中で、エネルギーの有効活用と回収率の評価が高いようだが具体的にどうか。
答弁 エネルギーの回収率は高効率発電に加え、廃熱利用などで47パーセントとかなり高い提案であった。
反対討論
ごみ処理は自区内処理が原則であり大竹市のゴミを受け入れるべきではない。
また、ごみの減量化、資源化を進めるべきで150t/日の大きな処理能力を持つ施設には反対である。
賛成討論
大竹市との広域処理はコストや運用面で、お互い大きなメリットがある。エネルギー回収率も高く、ランニングコストも大幅に減少した。現施設の老朽化を考え、早急に進めるべきである。