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平成20年度廿日市市施政方針

平成20年3月4日

1 はじめに

平成20年3月定例市議会の開会にあたり、市政運営に対する私の基本的考え方を申し述べ、議会議員各位並びに市民の皆様のご理解とご賛同を賜りたいと存じます。

私は、昨年11月、歴史ある廿日市市の市長として市民の皆様より、市政の舵取りを託されました。選挙を通じ、また就任後これまでの間に、市民の皆様から市政に対する様々な期待、要望、苦情を聞くことができました。多くの方が、現状を変えなければならないという危機感を抱かれるとともに、住み続けたい廿日市市の実現を切に望んでおられることを実感いたしました。こうした市民の皆様の強い思いに応えるため、愛着と誇りの持てる廿日市市のまちづくりに全力で取組むべく、決意を新たにしているところであります。

さて、私は、まちづくりのあらゆる面において、「平和」が根底にあるとの思いから、市政運営の柱の一つに「平和の重みと大切さを基調とした市政を確立する」ことを掲げました。本年は、20年ぶりにアジアでオリンピックが開催されますが、「一つの世界、一つの夢」を大会スローガンとする北京オリンピックが、国際社会における人々のつながりを深め、世界の友好と平和への一歩となることを切望いたします。

また、空母艦載機等の移駐による岩国基地機能増強問題つきましては、離発着訓練等の増加に伴い、騒音被害、事故、治安など市民生活への不安の増大や世界文化遺産である宮島の観光への影響なども考えられることから、市民の安全・安心を確保するという立場で反対であることに変わりはありません。今後、岩国市と国との間でどのような協議が行われるのか注視し、関係自治体と連携した取組を進めてまいります。


2 市政を取り巻く諸情勢

それではまず、市政を取り巻く諸情勢について申し上げます。

<経済情勢>

まず、経済情勢についてです。政府の平成20年度の経済見通しは、平成19年度に引き続き企業部門の底堅さが持続するとともに、家計部門が緩やかに改善し、民間需要中心の経済成長で、実質成長率は2.0%程度になると見込まれています。

県内景気も全体としては回復を続けているとされていますが、賃金や消費は伸びず、サブプライム住宅ローン問題や原油価格の高騰などもあり、来年度に向けて不安な滑り出しとなっています。

<地方の自立と再生>

次に、地方の自立と再生についてです。
 国は、昨年11月に策定した「地方再生戦略」に基づき、地域の創意工夫や発想に基づく自由な取組の立上げを包括的に支援する「地方の元気再生事業」などの総合的支援を実施するとしています。しかし、補助金や一時的な地方交付税の増額で、地方の自立や活性化ができるとは思えません。地方の創意工夫を生かすことのできる税財源の移譲を伴う真の地方分権改革が必要です。

この点、国は、「新分権一括法案」の平成21年度中の国会提出を目指し、国と地方の役割分担、税源配分の見直しを含む「地方分権改革推進計画」の策定に取り組むとしていますが、これから進められる地方分権改革が、真の地方の自立のための改革となるよう、引き続き市長会など地方六団体とも連携し取り組んでまいります。

<財政状況>

3番目は財政状況です。

国の平成20年度予算案は、「基本方針2006」などで定められた歳出改革路線を堅持し、各分野において歳出の抑制を図っていますが、一般会計予算の歳入のうち約3割にあたる25兆円余りを公債発行で賄わざるを得ず、依然として厳しい状況にあります。

また、国・地方を合わせた長期債務残高は、平成20年度末には778兆円、対GDP比で148%になると見込まれ、主要先進国の中で最悪の水準となっています。

地方財政については、地方再生に必要な財源を確保するため、地方再生対策費4千億円が創設されるとともに、地方自治体に交付される地方交付税交付金の総額は3年ぶりに増額となっています。この結果、地方財政計画上の地方税や地方交付税などの一般財源総額は平成19年度に比べ、7千億円の増となりました。

しかし、本市の平成20年度の財政状況については、歳入のうち、地方交付税の増額は見込めるものの、個人所得の伸びは見込めず、土地価格の下落が止まらない状況下で、税収総額の見込みは平成19年度当初に比べ、1億1千万円、0.6%の減となっており、引き続き非常に厳しい財政状況にあります。

<少子高齢化と定住問題>

次に、少子高齢化と定住問題です。

新生廿日市市が誕生した平成17年11月3日の本市の人口は、11万9千4人でした。これが、平成19年10月1日には、11万8千584人となっています。人口全体では、0.3%の減少ですが、年齢別に見ますと、0歳から14歳までの年少人口が420人の減少、15歳から64歳までの生産年齢人口も1,500人減少する一方、65歳以上の高齢者人口は1,500人増加しています。2年弱の間にも少子高齢化の波が本市にも及んできていることが分かります。安心して子どもを生み育てることができ、誰もが住み続けたい、住んでみたいと感じることのできる、魅力と活力のあるまちづくりが喫緊の課題であると再認識するところです。

<環境問題>

最後に環境問題です。

昨年12月、地球温暖化防止を訴えているアル・ゴア前アメリカ合衆国副大統領と国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が、ノーベル平和賞を受賞しました。ノーベル賞委員会は、温暖化が進行すれば、「紛争と戦争の危険」が増すと警告し、「制御不能になる前の行動」を国際社会に呼びかけました。

また、IPCCの第4次報告書は、人間活動が温暖化を招いたとほぼ断定し、21世紀末の平均気温が温室効果ガスの排出量が最も少ない場合には平均1.8度、最も多い場合には平均4度上昇すると指摘しています。かつてない猛暑といわれる年でさえ、平均気温にすると平年より約1度高いだけといいますから、この指摘は非常にショッキングなものです。

地球温暖化防止への私たち一人ひとりの貢献が求められている中で、市として何ができるのか、子どもたちに美しいふるさとを残すために、地域から地球規模で真剣に取り組まなければならない時期であると考えます。


3 平成20年度の市政運営の基本的な考え方

こうした諸情勢を踏まえ、私は、昨年10月に「つくりましょう! つながり にぎわう 明日のはつかいち」をまちづくりの理念としたマニフェストを掲げ、市民の皆様から信任をいただいたところです。

新生廿日市市のまちづくりは、スタートしたばかりです。私たちのまちにある豊かな自然、人材、文化を生かし、子どもたちに夢と希望のあるまちを引き継がなければなりません。そのためには、人と人、地域と地域の「つながり」をまちづくりのエネルギーとして、まちに様々な「にぎわい」をつくり、市民の皆さんとともに、住むことに誇りの持てるまちをつくっていきたいと考えます。

このようなまちづくりを進めるためには、まちづくりのビジョン、重点的な取組などについて、市民や議会議員の皆さんと議論を深めていくことが重要であると考えます。

また、十分なプロセスを経ながら、来年度も引き続き平成21年度をスタートとする総合計画の策定に取り組んでまいります。

さらに、行政経営にあたっては、来年度を行財政改革元年と位置付け、小さな市役所、市民の参加、行政サービスの質の向上、成果を重視する行政を目指し、組織やシステム・財政の徹底した見直しを行います。


4 平成20年度の予算編成について

平成20年度は、このようなまちづくりに向けての、私にとっては、はじめての予算編成となりましたが、編成にあたっては、マニフェストの着実な実行を図るとともに、引き続き財源不足の解消に向け、人件費、物件費の抑制や経常経費の削減などの内部努力の徹底はもとより、投資的経費など施策全般について見直しを行ったところです。

その結果、退職手当組合への負担金などの義務的経費が6億円増えるものの、予算総額は今年度を下回り、市債残高の減少の目安となるプライマリーバランスは、25億8千万円の黒字で、来年度末の起債残高は13億8千万円減少する見込みです。また、財政調整基金などで補填する財源不足額を、今年度当初23億6千万円に対し、17億3千万円に圧縮いたしました。

しかし、財源不足に対応する基金残高は、来年度末で43億7千万円となる見込みであり、ここ2年間で半分程度に減少するとともに、人件費、公債費といった義務的経費は、市税収入総額の166億8千万円に相当する額となっています。

財源不足を基金で補填する予算編成は、自ずと限りがあり、このままの財政運営を継続すれば、3年後には、通常の歳入では予算が組めない危機的な状況に陥る恐れがあります。最低限の財政健全化の目標と考える、平成21年度の経常収支比率95%を達成するためには、歳入確保と義務的経費を含むすべての歳出についての更なる削減が必要であり、引き続き徹底した見直しを進めていく考えです。

それでは、マニフェストに掲げた「5つのまちづくり戦略」及び「4つの行財政改革」に沿って、重点政策とその具体的な事業について、ご説明いたします。

5 5つのまちづくり戦略

まず、5つのまちづくり戦略のうち「協働のまちづくり」です。

<協働のまちづくりブランド>

市民の主体的なまちづくりへの参画は地方自治の原点です。市民の皆さんが持つ様々な能力や経験、ネットワークをつなぎ、生かす仕組みづくりを進めます。

その一つ目は、「対話と協働によるまちづくり・コミュニティづくりの推進」です。

まず、「地域提案型協働事業助成制度の創設」です。市民の皆さんとの協働によるまちづくりを推進するため、既存の地域助成制度を統合して、地域提案型協働事業助成制度を創設します。この制度は、地域円卓会議においてワークショップを開催して、地域振興や課題解決などについて話し合い、そこから提案される協働のまちづくり事業に対して助成金を交付するものです。また、今年度に実施した「まちづくりを考えるワークショップ」で提案されたプロジェクトを実施する団体については、10万円を限度に別途助成金を交付します。

廿日市市のまちづくりを考えるワークショップ合同発表会(平成19年10月6日)の写真

▲廿日市市のまちづくりを考えるワークショップ合同発表会

(平成19年10月6日)

次に、「地域づくり拠点施設整備事業」です。佐伯地域における地域づくりの拠点として、佐伯支所内に市民活動センター機能などを導入するための具体的な検討に着手します。来年度は、ワークショップを開催して市民の意向を把握し、その内容を反映しながら改修工事の実施設計を行います。

また、「対話と協働」の基礎となる人権については、市民一人ひとりの人権尊重の精神とともに、相互に理解し合える差別のない社会の実現が不可欠であるため、引き続き各種啓発事業を実施します。

さらに、男女がともにいきいきと活躍する男女共同参画社会の実現に向けて、「男女共同参画プラン」に基づき、啓発事業や人材育成支援を継続実施します。

二つ目は、「協働で支え合う地域福祉の推進」です。今年度に引き続き、誰もが安心して生きがいを持って生活できる地域社会の構築を目的に、「地域福祉計画」の策定に取り組みます。策定にあたっては、地域でのワークショップなどを活用し、より地域の共助が生まれる計画づくりを進めたいと考えています。

そして三つ目は、「協働による市民の健康増進」です。より健康なまちづくりを推進するため、今年度、市民とともに策定した「健康増進計画」に基づき、健康づくりの普及啓発と市民の健康づくり活動を支援するとともに、将来の医療費や介護給付費の増加の抑制を図っていきます。

四つ目は、「安全・安心なまちづくり」です。

消防・救急体制の充実を図るため、消防防災拠点として新消防庁舎の事務棟、訓練棟を建設するとともに、消防通信指令システムの整備、救急車積載の除細動器の更新などを行います。

<はつかいちっ子ブランド>

次に、健康で確かな学力と柔軟な発想力を備え、廿日市市と地域に愛着と誇りを持つ「はつかいちっ子」を育むための環境整備であります。

その一つ目は、「子育て支援」です。母体と胎児の健康を守るため、また、安心して子どもを生むことができるよう、妊婦健康診査受診券の交付を2枚から5枚へ拡大するとともに、子どもたちの健全な成育を支援するため、生後4か月までの乳児がいる家庭を全戸訪問する「こんにちは 赤ちゃん事業」を拡充実施します。

二つ目は、「チャレンジ学校づくり支援事業」です。農山村での宿泊や生活体験を通じて、子どもたちの豊かな人間性、社会性や自ら考えて行動できる力、規範意識などを育み、力強い子どもを育成しようとするもので、地域とともに魅力ある学校づくりを推進します。

三つ目は、「放課後はつかいち寺子屋塾事業」です。地域の皆さんの協力の下、子どもたちの安全を確保しながら、学習や、文化・スポーツ活動などを通じた交流を深めることができる居場所づくりを進めるもので、国の支援を受けて実施します。

本市においては、今年度、大野西小学校で実施していますが、来年度からは大野東小学校を加えて実施することとしており、夏休み期間中の活動に対応できるよう、図書室へ空調設備を設置します。

四つ目は、「スポーツで人づくり」です。子どもたちの文化・スポーツ活動を奨励する「はつかいち文化スポーツ賞」を創設し、子どもたちの文化・スポーツ活動の一層の促進を図り、自信と地域への愛着と誇りを持って飛躍していく子どもたちを育てます。

五つ目は、「読書の環境づくり」です。子どもの読書活動は、言葉を学び、感性を磨き、表現力・想像力を高め、人生をより豊かに生きる力を身につける上で欠くことのできないものです。子どもたちの「豊かな心」「確かな学力」を育てていくために、小学校の図書室の図書を整備します。整備に当たっては、図書購入のほか、家庭で眠っている本の寄贈も募り、全小学校において国が定める学校図書標準冊数の達成を目指します。また、幼少の頃から読書に親しめる環境を整備するため、市民図書館の絵本を充実します。

六つ目は、「学校の環境整備」です。教育環境の向上を図るため、地御前小学校の屋内運動場の耐震補強と大規模改造工事を行うとともに、廿日市小学校の管理特別教室棟の実施設計のほか、普通教室棟の耐震補強のための耐震診断及び実施設計を行います。

この他、吉和地域において、小中学校の一貫した指導体制を確立する小中一貫教育校の平成21年4月の開校を目指し、現小学校校舎の改修を行います。

そして、「通学路の安全確保」です。子どもたちが安全に通学できるように、市内全域の通学路について、今年度から、子どもの目線で通学路の安全対策を見直し、集中的に転落防止柵や区画線の設置などの整備を行っているところですが、来年度はさらに、PTAなどとの協働により、交通安全看板の設置を行うなど、子どもを守るための取組を地域と一体となって推進します。

<はつかいちエコブランド>

次に、地域から地球環境の改善に貢献する、環境にやさしいまちづくりです。

その一つ目は、「地球温暖化防止への地域からの取組」です。今年度策定した「廿日市市・地域省エネルギービジョン」を推進するとともに、地球温暖化防止へ向け、地域完結型カーボンオフセット事業や環境家計簿運動、省エネ型製品導入の推奨など、市民・事業者の皆さんと協働してエネルギー消費量の削減に取り組みます。

あわせて、学校教育のみならず、地域や職場など社会のあらゆる場面で環境について学ぶことができる人づくり・仕組みづくりを整備し、環境教育のトップランナーを目指します。また、リサイクルフェスタや各種講座の開催など、リサイクルプラザの積極的な活用により、ごみの減量化を推進します。

リサイクルフェスタはつかいち(平成19年10月14日)の写真

▲リサイクルフェスタはつかいち(平成19年10月14日)

二つ目は、「環境基本計画の策定」です。合併による市域の拡大や社会環境、自然環境の変化に対応するため、今年度に引き続き、「廿日市市環境基本計画」の策定に取り組みます。また、本市における新エネルギーの導入・普及を図るため、「廿日市市・地域新エネルギービジョン」を策定し、省エネルギーと一体となった対策を進めていきます。

三つ目に、「はつかいちの森と大地の保全・創造」です。平成19年4月に県が導入した、「ひろしまの森づくり県民税」を活用し、水源かん養などの森林の有する公益的機能が十分発揮されるよう、除間伐などの人工林整備を行います。

また、森林に対する知識や森林のもつ役割を啓発し、その大切さへの理解を深め、守り育てる意識の醸成を図ることを目的として、住民団体が里山林などで行う保全活動や森林・林業体験活動を支援します。

さらに、遊休・荒廃農地の拡大を防ぐため、農業生産法人の育成支援、農業振興団体などへの支援を行うとともに、集落営農法人などの立上げ支援制度を創設し、農地の保全に努めます。

四つ目は、「公共下水道の整備」です。公共下水道事業については、公共用水域の水質保全と生活環境の向上を図るため、汚水管きょの整備を行うとともに、廿日市市浄化センター、大野浄化センターの水処理施設の増設と、宮島水質管理センターの施設更新を進め、浸水対策として雨水管きょなどの整備を計画的に行います。また、経営面においては、公債費の削減を図るとともに、一層の効率化に努め、公共下水道会計の健全化を図っていきます。

最後に「新税導入の検討」です。観光資源でもある宮島の美しい自然や、豊かな歴史・文化を後世に引き継いでいく財源を確保するため「法定外目的税」の導入について検討を行います。

<千客万来のはつかいちブランド>

次に、世界文化遺産・厳島神社を擁する宮島を中心とした観光振興及び歴史の息吹と融合した地域文化の創造です。

その一つ目は、「みやじまの観光発信力の強化」です。まず、廿日市市観光まちづくり懇話会の提言による「宮島アクションプラン50」を実行するため、観光客の動向調査や外国語版リーフレット、観光パンフレットの作成など観光地宮島の受入環境の整備を図ります。また、「いやし」と「ふれあい」をコンセプトとした新宮島水族館の整備、リニューアルした宮島伝統産業会館におけるもみじ饅頭手焼き体験、木工体験などを行い、観光客の増加、滞在時間の延長、新たな修学旅行客の誘致などを図ります。

二つ目は、「エントランス(宮島口)整備」です。宮島口を、国内外からのお客様を迎えるにふさわしいエントランスとするための基本計画づくりに着手します。

三つ目は、「宮島を核とした市全域の観光振興」です。「廿日市アクションプラン49」を実行するため、宮島と連携した市域の観光ルートの商品化や、体験型観光の紹介などを通じ、各地域の歴史文化、自然の魅力を生かした、市全域の観光施策を推進します。

また、市内関係機関を中心とした、廿日市市観光まちづくり懇話会の継承組織を設置し、「宮島」及び「廿日市」のアクションプランの推進と点検を引き続き行っていきます。

さらに、今年度に引き続き、合併した5つの地域を縦断する「はつかいち縦断みやじま国際パワートライアスロン大会2008」の開催を支援するとともに、宮浜温泉地区においては、グラウンドゴルフ場整備に向けた測量設計、トレッキングコースの整備を行い、健康保養地としての魅力を高めます。

はつかいち縦断みやじま国際パワートライアスロン大会2007(平成19年6月17日)の写真

▲はつかいち縦断みやじま国際パワートライアスロン大会2007

(平成19年6月17日)

四つ目は、「はつかいち文化振興」です。地球環境と世界平和の大切さをアピールする「はつかいち音楽祭」の平成21年度以降の本格開催に向け、プレイベントを開催します。

そして五つ目は、「美しいまちづくり」です。

潤いのある豊かな生活環境の創造と個性的で魅力ある街並みの形成を図るため、今年度に引き続き、市民との協働による景観計画の策定に取り組みます。

<はつかいち新活力ブランド>

次に、成熟時代にふさわしい質の高い魅力ある都市として、将来にわたって安定して発展・成長していくための、都市機能の強化と産業の活性化についてです。

その一つ目は、「幹線道路の整備促進」です。広域的な連携・交流を円滑にするため、国道2号西広島バイパス高架事業や国道433号、県道廿日市環状線、県道廿日市佐伯線の明石工区などの事業実施に係る関係機関との調整や協力を積極的に行い、早期整備を促進します。

地域の幹線道路として、廿日市地域では地御前宮内線の整備、大野地域では深江林ヶ原線整備のための実施設計に着手するほか、中山鯛ノ原線の整備を進めます。また、佐伯地域では県道林道線などの整備を、吉和地域では駄荷線などの整備を進めます。

また、山陽自動車道宮島サービスエリア内へのETC専用のスマートインターチェンジの本格導入へ向け、アクセス道路整備の詳細設計に着手します。

宮島サービスエリア・スマートインターチェンジの写真

▲平成20年3月2日に社会実験を開始した宮島サービスエリア・スマートインターチェンジ

二つ目は、「住みよいまちのみち(生活道路)整備」です。良好な市街地の形成の促進と地域が抱える課題解決のため、土地所有者や地域と協働して、宮内地区内、上平良地区内、佐方地区内、林ヶ原地区内の生活道路の整備を図ります。

三つ目は、「交通結節点のバリアフリー化」です。交通バリアフリー推進事業として、JR阿品駅前にエレベーター設置し、だれもが安心・快適に移動できる交通環境づくりを推進します。

また、歩行者の安全を確保するため、廿日市地域では駅屋代線の歩道をバリアフリー化するとともに、JR廿日市駅の西側にある砂走第3踏切内の歩道設置に向け、実施設計に着手します。大野地域では郷原ノ前線歩道の実施設計に着手します。

四つ目は、「新たなにぎわいづくり」です。都市の将来ビジョンとその実現に向けた土地利用や都市施設の整備の方針を見直すため、「都市計画マスタープラン」の策定に引き続き取り組みます。

JR廿日市駅周辺地区では、市の東の玄関口としてにぎわいのある市街地の形成と魅力の創出を図るため、廿日市駅南地区の道路整備に向けた用地取得及び廿日市駅北土地区画整理事業を引き続き推進します。また、下平良二丁目地区は、公有水面埋立造成事業を引き続き推進するとともに、魅力ある中心市街地の形成を図るため、廿日市地区整備ビジョンを策定します。

五つ目は、「はつかいちブランド産品づくり」です。まず、都市近郊の立地を生かし、新たに農業を始めたい意欲のある人などを対象に、就農へつながる農業の基礎、また、新たな野菜栽培に必要な知識・技術の習得を目的とした研修を実施します。

また、学校給食に地元産品を取り入れたふるさと給食の導入を図るとともに、産地直売施設「旬彩市場さくら館」の運営支援、さらに、市内の「食」を一堂に会した「はつかいちフードフェスティバル」の開催への支援を行うなど、地産地消を推進します。また、かきやあさりのブランド化への支援を通して、水産業の強化を図ります。

六つ目に、「商工業活性化及び雇用創出」です。まず、商工業活性化ビジョンに基づく行動計画の策定、商工業白書の作成、中小企業融資などを通して、商工業の一層の振興を図ります。また、雇用創出を目的として、平成20年度末まで取り組んでいる「地域提案型雇用創造促進事業」を発展的に継続させるため、「地域雇用創造推進事業」の採択に向け新たな構想案の作成に取り組みます。

6 4つの行財政改革

次に、行財政改革についてです。

<3Sの市役所づくり>

まず、小さな市役所づくりについてです。行政の役割を見極めながら、事務事業の民間委託などの推進や昨年度策定した「定員適正化計画」に基づき、適正な定員管理に取り組みます。
 また、公共施設について、施設の状況、利用状況、運営状況などの実態を調査し、将来の公共施設のあり方についての検討を始めます。

<市民との「つながり」を大切にする行政>

次に、市民の皆さんや地域と協働した地域づくりを進めるための仕組みづくりです。

一つ目は、「パブリックコメントの実施」です。行政運営の透明性の向上と市民の市政への参加機会の拡充を図り、公平公正で開かれた市政を実現するため、重要な政策や制度などについて、一定のルールの下に広く市民の意見を聴き、その内容を考慮しながら最終決定を行うようにします。
 二つ目は、「職員によるまちづくり講座の開催」です。市民の皆さんの求めに応じて市職員が地域に出向き、市の事業や施策をわかりやすく説明し、市民の皆さんとの双方向のコミュニケーションを図るとともに市政に対する理解を深めていきます。
 三つ目は、「公民館の機能アップ」と「地域円卓会議の推進」です。小学校区単位で整備されている公民館は、市民にとって身近な施設であり、今後、市民の皆さんと協働のまちづくりを進めていくうえで、大きな役割を担うと考えます。
 このため、公民館を「市民センター」と位置付け、地域の皆さんが地域課題の解決やまちづくりを話し合う場である「地域円卓会議」の開催・運営支援を行うとともに、市民の皆さんと対話を重ね、信頼関係を構築し、地区コミュニティ活動を積極的に応援していきます。

<「市民本位のサービス」を提供し続ける行政>

次に、市民本位の行政サービスの提供です。

まず、市民生活の利便性向上のため、今年度末から、多くの市民の皆さんが訪れる3月下旬から4月上旬の住民異動時期の土曜日に休日窓口を開設し、転出、転入、転居などに伴う届出・手続の受付、対応を始めます。

市役所1階窓口の写真

▲市役所1階窓口

また、図書館の利用状況や市民ニーズを踏まえ、市民図書館(本館)の開館時間を火曜日から金曜日までの平日2時間延長し、使いやすさの向上を図ります。

<量から質へ、成果を重視する「戦略的」な行政>

最後に、量から質への視点で「あれかこれか」の選択と集中を図り、成果を重視する取組です。

まず、「総合計画へのまちづくり指標の導入」です。市民の満足度を重視し、市民本位の行政を推進していくため、新しいまちづくりの指針として策定する「第5次廿日市市総合計画」に、施策の現状と目標をわかりやすく数値で示したまちづくり指標を導入します。この指標を市民の皆さんと行政とで共有し、達成に向けて協働で取り組んでいきます。

また、限られた財源や人員を最大限に有効活用し、このまちづくり指標を達成するためには、施策・事務事業を評価し、より効果のあるものに向上させていく「行政評価システム」を整備していく必要があります。「第5次廿日市市総合計画」がスタートする平成21年度の制度導入に向けて検討を開始します。

以上、主要な施策・事業及び行財政改革について、ご説明を申し上げましたが、これらを着実に推進していくため、「1 行政経営改革や地方分権の推進を図る組織づくり」、「2 地域協働の確立を目指した組織づくり」、「3 簡素で効率的・効果的な組織づくり」を方針として、組織再編を行うこととしています。

まず、「行政改革や地方分権の推進を図る組織づくり」として、市長、副市長を中心として行政経営改革や重要プロジェクトを推進するため、経営会議を設置するとともに、県からの移譲事務を円滑に執行できる体制を整備します。

次に、「地域協働の確立を目指した組織づくり」として、地域自治の実現に向け、自治振興部を設置します。また、これまでの生涯学習活動を地域課題解決へ向けた地域活動へと展開を図るため、公民館を市民センターとして、地域協働の拠点づくりを進めます。自治振興部のもと、市民センター、支所、本庁が連携を強化し、市民との協働による地域づくりを推進する体制を整備します。

さらに、「簡素で効率的・効果的な組織づくり」として、都市施設の整備及び維持管理など建設部門の一元化により、事業の選択と集中を一層図るとともに、円滑で効率的に事務事業を執行するため、建設部と都市部を統合再編し、建設部を設置します。また、近年、重要視される地球環境について、環境と産業施策の関連性を踏まえ、効果的に事業を推進するため、環境部門と産業部門を統合し、環境産業部を設置します。

以上の主要な施策・事業を中心に予算編成を行った結果、平成20年度の一般会計当初予算案の総額は、393億3千万円、また、特別会計の当初予算案総額は、14会計で285億3,888万7千円、企業会計の当初予算案総額は、3会計で33億4,830万2千円となっております。

7 おわりに

以上、平成20年度における市政運営の基本的な考え方と、予算編成に伴う重点施策及び主要な事業について申し上げました。

本市を取り巻く社会経済状況は、依然厳しいものがございますが、地方が自立し、まちづくりに創意工夫を生かせることこそが、国民が主役となり、夢を抱くことのできる国への第一歩であると考えます。

この厳しい時期を市民の皆さんとともに乗り越え、来る真の地方分権の時代に、市民の皆さんとともに喜び合えるまちづくりを目指し全力を尽くしてまいります。

議会議員各位ならびに市民の皆様の格別なご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、施政方針とさせていただきます。

廿日市市長 眞野勝弘

 

【問い合わせ先】廿日市市役所 総合政策課 電話:0829-30-9120(直通) FAX:0829-32-1059




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