○廿日市市伝統的建造物群保存地区保存条例

平成27年9月28日

条例第32号

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第143条第1項の規定に基づき、本市が都市計画に定める伝統的建造物群保存地区に関し、現状変更の規制その他その保存のため必要な措置を定め、もって本市の文化的向上に資することを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この条例において「伝統的建造物群」とは、法第2条第1項第6号に規定する伝統的建造物群をいう。

2 この条例において「伝統的建造物群保存地区」とは、法第142条に規定する伝統的建造物群保存地区(以下「保存地区」という。)をいう。

(保存活用計画)

第3条 廿日市市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、都市計画法(昭和43年法律第100号)第19条の規定により保存地区に係る都市計画の決定があったときは、第10条に規定する審議会の意見を聴いて当該保存地区の保存及び活用に関する計画(以下「保存活用計画」という。)を定めるものとする。

2 保存活用計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 保存地区の保存及び活用に関する基本計画に関する事項

(2) 保存地区内における伝統的建造物群を構成している建築物その他の工作物(以下「伝統的建造物」という。)及び伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる物件(以下「環境物件」という。)の決定に関する事項

(3) 保存地区内における建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)及び環境物件の保存整備計画に関する事項

(4) 保存地区内における建築物等及び環境物件に係る助成措置等に関する事項

(5) 保存地区の保存及び活用のために必要な管理施設及び設備並びに環境の整備に関する事項

(6) 保存地区の保存及び活用のために必要な事業計画に関する事項

3 教育委員会は、第1項の保存活用計画を定めたときは、これを告示しなければならない。

4 第1項及び前項の規定は、保存活用計画を変更する場合について準用する。

(一部改正〔令和2年条例17号〕)

(現状変更行為の規制)

第4条 保存地区内において次に掲げる行為をしようとするときは、あらかじめ市長及び教育委員会の許可を受けなければならない。

(1) 建築物等の新築、増築、改築、移転又は除却

(2) 建築物等の修繕、模様替え又は色彩の変更でその外観を変更することとなるもの

(3) 宅地の造成その他の土地の形質の変更

(4) 木竹の伐採

(5) 土石類の採取

(6) 水面の埋立て又は干拓

2 前項の規定にかかわらず、法第125条第1項ただし書に規定する行為の場合は、同項の規定による許可を受けることを要しない。

3 市長及び教育委員会は、第1項の許可をする場合には、保存地区の保存のために必要な限度において条件を付することができる。

(許可の基準)

第5条 市長及び教育委員会は、前条第1項各号に掲げる行為で次に定める基準(市長にあっては、第8号に掲げる基準)に適合しないものについては、同項の規定による許可をしてはならない。

(1) 伝統的建造物の増築若しくは改築又は修繕、模様替え若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、それらの行為後の伝統的建造物の位置、規模、形態、意匠又は色彩が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。

(2) 伝統的建造物の移転(同一保存地区内における当該伝統的建造物の移築を含む。以下この号において同じ。)については、移転後の伝統的建造物の位置及び移転後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。

(3) 伝統的建造物の除却については、除却後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。

(4) 伝統的建造物以外の建築物等の新築、増築若しくは改築又は修繕、模様替え若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、それらの行為後の当該建築物等の位置、規模、形態、意匠又は色彩が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

(5) 前号の建築物等の移転については、移転後の当該建築物等の位置及び移転後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

(6) 第4号の建築物等の除却については、除却後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

(7) 前条第1項第3号から第6号までの行為については、それらの行為後の地表面の形状その他の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

(8) 前各号に定めるほか、当該行為後の建築物等又は土地の用途等が当該伝統的建造物群の保存又は当該保存地区の環境の維持に著しい支障を及ぼすおそれのないものであること。

(国の機関等に関する特例)

第6条 国若しくは地方公共団体の機関又は法令の規定により国の行政機関若しくは地方公共団体とみなされた法人(以下「国の機関等」という。)が行う行為については、第4条第1項の許可を受けることを要しない。この場合において、当該国の機関等は、第4条第1項の許可に係る行為をしようとするときは、あらかじめ市長及び教育委員会に協議しなければならない。

(許可の取消し等)

第7条 市長及び教育委員会は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、保存地区の保存のため必要な限度において、第4条第1項の規定によってした許可を取り消し、又は工事その他の行為の停止を命じ、若しくは相当の期限を定めて建築物等の改築、移転又は除却その他違反を是正するため必要な措置を執ることを命ずることができる。

(1) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した者

(2) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した工事の注文主若しくは請負人(請負工事の下請人を含む。)又は請負契約によらないで自らその工事をしている者若しくはした者

(3) 第4条第3項の規定により許可に付した条件に違反している者

(4) 詐欺その他不正な手段により、第4条第1項の規定による許可を受けた者

2 市長及び教育委員会は、前項の規定により処分をし、又は必要な措置を執ることを命じようとするときは、あらかじめ第10条に規定する審議会の意見を聴き、かつ、当該処分又は措置を命ずべき者について聴聞を行わなければならない。

(助言等)

第8条 市長及び教育委員会は、保存地区の保存のために必要があると認めるときは、保存地区内において第4条第1項各号に掲げる行為をしようとする者又はした者に対して必要な助言、指導又は勧告をすることができる。

(経費の補助等)

第9条 市は、保存地区内における建築物等及び環境物件の管理、修理、修景又は復旧について、自ら保存のため適当な措置を行い、又は当該物件の所有者等に対し予算の範囲内においてその経費の一部を補助することができる。

(審議会の設置等)

第10条 教育委員会に廿日市市伝統的建造物群保存地区保存審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、市長及び教育委員会の諮問に応じ、保存地区の保存等に関する重要事項について調査審議し、及びこれらの事項について市長及び教育委員会に建議する。

3 審議会の委員の定数は15人以内とし、次に掲げる者のうちから、教育委員会が委嘱する。

(1) 学識経験者

(2) 関係行政機関の職員

(3) 関係地域を代表する者

(4) その他必要と認められる者

4 委員の任期は2年とし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。

5 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

(罰則)

第11条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金に処する。

(1) 第4条第1項の規定による許可を受けないで同項各号に掲げる行為をした者(同条第2項又は第6条の規定により許可を受けることを要しないとされた者を除く。)

(2) 第7条第1項の規定に基づく命令に違反した者

(両罰規定)

第12条 法人の代表者又は法人若しくは代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前条に規定する違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同条の刑を科する。

(委任)

第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長及び教育委員会が別に定める。

この条例は、伝統的建造物群保存地区に係る都市計画の決定の告示があった日から施行する。ただし、第10条の規定は、公布の日から施行する。

(令和2年3月24日条例第17号)

この条例は、公布の日から施行する。

廿日市市伝統的建造物群保存地区保存条例

平成27年9月28日 条例第32号

(令和2年3月24日施行)